手ブレ補正が役立つシーン
手ブレ補正機能の性能は手ぶれ補正効果の「段数」で表されます。手ブレ補正機能は手ブレ限界のシャッタースピードを大幅に広げることが出来ることです。
例えばオリンパスのOM-D E-M1Xのボディー内手ぶれ補正(撮像センサーシフト式5軸手ぶれ補正)の補正効果は7.0段(使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、焦点距離 f=40mm(35mm判換算 f=80mm)の場合、補正機能なしのシャッタースピードの限界は1/80秒になり、実際のシャッターダイアルの設定値は1/125秒になります。
しかし、手振れ補正効果が7.0段ですので、計算上は1秒まで手ブレ限界のシャッタースピードを引き下げることが出来ると言うことになります。
手ブレ補正が役立つシーンにはつぎのようなものがあります。手ブレはシャッターが開いている間に動いたカメラのゆれが原因で、撮像素子に写った画像が動いてしまい、ぼやけたような写真になることです。そこで最近、多くのミラーレス一眼カメラボディ内に、手ブレを吸収する機能を備えられています。
- 夜景や夕暮れ下で明るさが足りないシーン:手持ち撮影のまま撮影可能な領域を大きく広げてくれます。三脚使用が難しい場所・三脚使用の禁止場所・三脚を持ち歩く負担を軽減し、シャッターチャンスが広がります。手振れ補正なしはISO感度を上げることでしか対処できないほどの暗がりでも、手振れ補正機能があればISO感度を下げることができ、写真の画質の向上が期待できます。
- 望遠レンズを使用した撮影シーン:望遠レンズは、焦点距離が小さい他のレンズと比べるとシャッタースピードの低下による手ぶれが目立ちやすくなります。レンズ側で手ぶれ補正機構が搭載されたモデルも数多く存在するため、レンズ選びの際にも意識して確認し、手ぶれが生じる目安である「1/焦点距離」秒以上を意識した撮影設定をおこないます。
- 高画素ミラーレス一眼カメラで撮影する場合:高画素機は一般的に普及しているような画素数(2000万〜3000万画素)に比べてブレに弱いので、初心者に向かない。画素数が大きいほど、画素1つあたりの受光量が少なり、1画素の受光量が低下するとノイズの発生やダイナミックレンジの低下を招くので画質の低下につながったりもします。しかし、ボディ内手ブレ補正はあらゆる方向(5軸方向)へのブレ補正に有効なので、光の少ない場所での撮影時にも非常に高画質で描写力の高い写真が撮影をボディ内手ブレ補正が可能にしたのです。
- 流し撮り用の手振れ補正モードを使う場合:手振れ補正機能付きボディは、モードを切り替えるか、カメラの動きを察知して流し撮り用の手振れ補正モードになってくれます。