最大100W(20V×5A)給電できる充電器(アダプタ)

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最大100W(20V×5A)給電できる充電器(アダプタ)

USB PD 充電器(アダプタ)とは?

はじめに「USB PD」は「USB Power Delivery」の略で、USBを利用した急速充電の規格のひとつです。接続端子形状はUSB Type-Cを利用しており、従来から使用されているUSB Type-Aは10W程度しか給電できませんでしたが、最大100Wまで電力を供給することができます。USB Type-Aと比べてより短時間で充電を完了できます。さらに接続したデバイスを自動判別するのが大きな特徴で、それぞれのデバイスに適切な電力に調整して給電できます。
用途で分けると、デバイスに直接給電するときは充電器として、モバイルバッテリーとAC電源の接続に使用するときはアダプタとして使われます。因みに、Appleの最新スマホ「iPhone 11 Pro/11 Pro Max」には、高速充電に対応した18WのUSB PD 充電器(アダプタ)が付属しています。実はこれも「USB PD」を採用しており、ほかにも「iPad Pro」や「MacBook Pro」にもそれぞれ、18Wと61WのUSB PD対応充電器が付属しています。

Type-Cの供給電力量は?

これまで一般的だったUSB端子は「Type-A」という形状で、給電能力は5V×2.4Aで最大12Wでした。これに対して、「Type-C」を利用したUSB PDでは、20V×5Aの最大100Wまで給電できます。当然ながら、供給できる電力が大きい方が、より高速にデバイスを充電できるという仕組みです。なお、「USB Type-A」の給電能力は5V×2.4Aで最大12Wですが、これは充電用ケーブルとしての最大値で、パソコンなどに搭載しているUSB端子の規格としては、5V×1.5Aの7.5Wが最大値となります。
現状は、USB PDはUSB Type-C端子でしか利用できません。しかし、PD(USB Power Delivery)はあくまでもオプション機能なので、Type-CならすべてUSB PD対応ではありません。

電力を自動調整

USB PD 充電器(アダプタ)は、接続デバイスを自動判別して、それぞれに適切な電力に調整する機能が搭載されています。同じUSB PD 充電器(アダプタ)と同じケーブルを使っていても、接続するデバイスによって電力が変化するのです。 そのため、USB PD 充電器(アダプタ)を選ぶ前に充電したいデバイスが必要とする電力を、きちんと把握しておくことが大切です。なお、デバイスによっては使用状態やバッテリーの減り具合で、必要とする電力が変わるデバイスも存在します。たとえば、iPhoneなら最大18W、iPadはサイズや世代によって30Wや45W、MacBook Proなら61Wとなります。
USB PD 充電器(アダプタ)の対応電力は、最大で20V×5Aの100Wです。ただし、安全性なども考慮し、現状では1ポートあたり60Wの製品が最大となります。USB PD 充電器(アダプタ)はワット数が大きくなるほど、本体サイズも大きくなります。このため、持ち歩きに便利だからと小型のものを購入してしまうと、必要な電力を供給できない可能性があります。サイズはもちろん重要ですが、充電したいデバイスに必要な電力に合わせて選ぶましょう。
 

複数ポートでは電力は振り分け

USB PD 充電器(アダプタ)によってはPD対応ポートを複数搭載しているものもあります。この場合、USB PD 充電器(アダプタ)の最大電力は各ポートに振り分けられます。 たとえば、最大36WのUSB PD 充電器(アダプタ)の場合、スマホ2台を同時に充電すると、18W×2台でもう最大電力を使い切ってしまいます。このため、スマホとタブレット(30W)を同時に接続すると電力不足となり、少なくとも片方は急速充電できないことになります。

USB Type-A付きの最大電力?

USB PD 充電器(アダプタ)は、PD対応ポートに加えて、USB Type-Aポートも搭載されている製品の場合には注意が必要です。USB Type-AポートはPD対応ポートとは電力が別系統になっている製品が多いのですが、両方を足した電力が大きく記載される傾向にあります。
例えば、最大電力45Wを表記しているUSB Type-A付きUSB PD 充電器(アダプタ)の場合、PD対応ポートで45Wの給電できるように見えます。でも、USB Type-Aの供給電力が16Wですと、よく読んでみるとPD対応ポートの供給電力は29Wしかありません。このように、PD対応ポートのみの電力は製品の電力よりも小さいことがほとんどなので、しっかり確認しましょう。

高速充電/Quick Charge/PowerIQ?

USB PD以外にも、さまざまな急速充電規格が存在しています。Appleの「高速充電」、Qualcommの「Quick Charge(QC)」、Ankerの「PowerIQ」などが有名ですが、これは各社がそれぞれ定めた充電技術でUSB PDとは別モノです。でも、Appleが近年採用しているUSB Type-Cを利用した高速充電は、中身はUSB PDです。また、Quick Chargeも4以上ならば、USB PDと互換性があります。PowerIQも3.0でUSB PDに対応していますが、これは実は急速充電技術ではありません。機器を判別して利用する急速充電規格を切り替える技術がPowerIQです。
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