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樹木・オリーブ

オリーブの生育環境

オリーブの生育環境には、「置き場」・「水やり」・「施肥」・「植え替え」・「剪定」などの管理が必要です。オリーブなどの樹木を育てていて一番落胆するのは、突然に葉が枯れ落ちるときではないでしょうか。葉が枯れ落ちる原因は夏の高温多湿、乾燥、過湿、日照不足の4つがあります。
オリーブ栽培のポイントは
  • 育てる目的(果実の生産か観賞か)に沿った苗木を選びます。観賞が目的であれば、見た目の葉の色や木の形で選びます。果実の生産であれば、多くの場合は受粉相手として異なる品種の花粉を必要であるので、オリーブの受粉相手の木が必要です。
  • 苗木はできれば大きくしっかりした木をおすすめします
  • 耐寒性が強いと言われているオリーブですが、樹齢や品種によって耐寒性は異なります。購入直後の苗は50cmほどに成長するまではなるべく5℃以上の暖かい温度と日当たりを確保します。
  • 根や枝を上手に切ること
  • 葉のバランスを保つこと
です。

オリーブの置き場

オリーブの鉢植えを室内に飾れば、お洒落な空間になります。小さめのオリーブの木もあるため、邪魔になりません。オリーブの木は日光が大好きで、室内でも極力日当たりの良い場所に飾りましょう。日光を好むオリーブの木は、日当たりの良いベランダやリビングの窓際で育てます。果実生産用の成木は寒さに強いですが、若い苗木や低木品種は冷え込む時には室内に入れると良いです。寒冷地の方でも室内であれば楽しめます。  
  

オリーブの水やり

幼木の際は水のやりすぎと乾燥のしすぎに注意します。特に過湿に注意します。冬季は2週間に1〜2回程度やりますが雨の当たる場所で栽培しているなら冬場はまったく水をやらなくても大丈夫です。オリーブは活動期に成木で950mmほどの降水量を必要とします。 日本の露地栽培ではほとんど水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合はつぎのとおりです。
  • 春や秋の時期は、毎日あげる必要はありませんが、土が白くなってくるまで乾燥してたら、たっぷりとあげます。あげる回数を少なくして、一度にたっぷりとあげることで過湿を防ぎます。
  • 夏の時期は、毎日水をあげます。ただし、湿気の多い地域などは、土が乾いてない日などには水やりをしません。
  • 休眠期の冬期は、ほとんど水をあげなくて大丈夫です。土に竹串などを10cmほど刺した時、竹串の先端が濡れていたら、まだ水をあげる必要はありません。
 

オリーブの施肥

オリーブの肥料は極少量を年4回与え元肥は年間施肥量の半分ほどを与えます。鉢植えを小さく育てたい場合は窒素肥料を控え目にします。石灰は強いアルカリ性なので土壌のPHが上がらないように気を付けながら施肥します。鉢では発酵油粕を元肥に5粒、礼肥に2粒程度与えます。オリーブはカリウム以外にマグネシウムとホウ素を必要とします。石灰肥料は苦土石灰がおすすめです。肥料の対比についての目安は幼木時はN:P:K=6:4:4です。

オリーブの鉢植え

土作り

オリーブの木は土壌適応性が広く弱酸性から弱アルカリ性の土で育ちますが、植え付けの時は排水性のよい中性の土を作ります。オリーブの土は専用用土がお薦めですが、自分でブレンドする場合は腐葉土3+砂3+硬質赤玉土3+軽石1を使います。オリーブは6号植木鉢でも大きく育ちますので、転倒防止のために、小石や砂などの重しの役割を果たすものを混ぜるとよいです。

鉢を選ぶ

オリーブは盆栽もあるくらい、植木鉢での栽培に適した果樹で小さな植木鉢でも栽培可能です。楽天市場には40万円台の盆栽があります。鉢の中のオリーブが元気に成長するためには細かい根の成長が大切ですが、そのためにオリーブの根は多くの酸素を必要とします。この条件を満足する生育環境を作り出すのがスリット鉢です。

植え替え

オリーブの植え替えは、木を鉢から引き抜き1/3から半分ほどに底をカットします。オリーブの根を側面も底面も上面もすべてほぐし、土を掻き出します。根を鉢より一回り小さくなるように切り、同じ鉢か新しい鉢に植え替えます。鉢の下半分に土を入れ、苗木を入れて、内周に新しい土を投入し根としっかり接着します。植え替え後は水をたっぷり与えます。葉の部分は鉢が転倒しにくいように整えます。毎年このようにすれば鉢を交換する必要はありません。一方、大鉢に育てたい場合は根鉢の下半分くらいを切って根の表面を鋏でカットしてから、一回り大きなに植え替えます。植え替え時期は3〜5月が適期です。
  

オリーブの剪定

オリーブの木の剪定の仕方は内部の風通しをよくするように好みの樹形になるよう剪定します。オリーブはその年に伸びた枝に翌年花を咲かせ実をつけるという特徴があります。木を切り返す場合はすべての結果枝を切り落とさないように気を付けます。盆栽仕立ても人気があり好みの樹形に仕立てることも可能です。春の萌芽が一段落した初夏にも伸びすぎた不要な枝を剪定し間引き剪定も行い風通しをよくします。はじめの4年間、苗木を買ってから2〜3年間は木の形を作る以外の間引き剪定などは木を弱らせる原因になるので行いません。
オリーブを鉢植えで育てる場合の剪定方法は2つあります。
  • 1つ目は自分の手が届く約1.5mに抑えて剪定します。鉢植えオリーブの最終的な樹高は1.5mくらいがちょうどよいと思います。木の高さを低く抑えるためには人の肩の高さで主幹の伸びを芯止めします。切った場所から枝がいくつか上に向かって生えますので適度な本数を維持し太い枝を優先して切っていきます。
  • もう一つはさらに小さく盆栽程度の大きさに選定する方法です。オリーブを盆栽のようにしておきたい場合は結実をあきらめて先端を少し切り詰める作業を繰り返します。そして鉢のサイズは変更しません。オリーブの活動が低下している冬季に2〜3葉残して剪定します。活動期に新しく芽吹いた枝の先端を少しつまみます。

オリーブの繁殖

オリーブの挿し木は6月ごろの湿度の高い頃がおすすめです。緑枝挿しという方法で増やします。緑枝挿しは、発根の悪い木に対して行われる方法で、冬季の休眠枝挿しでは発根しづらい種類に適します。
  • 榾木(ほだぎ)は10cm程度にし
  • 切り口は斜めに切り
  • 大きな葉は2分の1に切り、先端の成長点があれば消耗を避けるために摘み取ります
  • 水に漬け置いてから挿し木します
  • 湿度はビニールで覆うなどして高め保ちます。
  

オリーブの病害虫

オリーブは果実の汁を吸うカメムシ・ゾウムシとたんそ病・オリーブアナアキゾウムシに気を付けます。これらの害虫には強力な殺虫剤しか利きません。
  • カメムシは日本に多く生息する昆虫の中でも知名度の高い不快害虫です。臭いニオイを発するので、不快害虫として嫌われています。 天気の良い日に洗濯物にくっついていたり、窓を締め切っているのにどこからともなくやってきたりするので、とても厄介です。
  • ゾウムシの体長は20~40mmほどで、草食性です。体はそれほど大きくないですが食欲旺盛で、農家や園芸家には害虫です。同じゾウムシでも、種によって食べものの好みに違いがあり、積極的に葉を食べるものもいれば、茎や果実の方を好むものもいるようです。
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  • 炭そ病は主に葉に発生しますが、カキやトマトなどでは実にも発生します。黒褐色の小斑点がしだいに拡大し、斑点の内側が淡褐色~灰白色の大きな病斑になり、葉に穴 が開いたり、葉先から枯れてきます。実に発生した場合は黒いすす状の斑点が拡大し、実が急に熟して腐ったようになって落ちます。ランなどを室内で栽培する場合は風通しを良くし、高温多湿を避けます。発病葉は早めに取り除き、剪定した茎葉も処分します。発病初期の薬剤散布で発生を防除します。
  • オリーブアナアキゾウムシは全長15mm程で体色は黒褐色、日本にオリーブが導入された後、オリーブを選好するため主要な害虫となった。幼虫がオリーブの幹の皮層と形成層を食害する。成虫の寿命は3~4年。4月下旬~11月下旬頃まで活発に活動する。皮樹の中に卵を産みつける。孵化した幼虫は成長するにつれて形成層から木質部まで食害をし蛹(さなぎ)になる。蛹は、7月頃に羽化し成虫となったら、また外に出て若い樹木を食害する。
 
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