しまなみ海道の移動手段
しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は、鉄道が走っている瀬戸大橋とは異なり、鉄道は運行されていません。従って、このエリアの経済的な移動手段は、バス(高速バス・路線バス)・レンタカー・タクシーの順になります。
バス(高速バス・路線バス)
大動脈である「しまなみライナー」は、今治↔福山・今治↔尾道・今治↔広島の3系統が運行されています。今治↔福山系統は時間も1時間に1本ペースで運行されているので利用がしやすいと言われていますが、今治↔尾道・今治↔広島の2系統は1日3運行と少なく、今治↔広島系統は予約が必要となっています。
も一つ不便な点は乗降制限があることです。瀬戸田PAと瀬戸田BSは乗降できますが、それより出発地側のバス停は乗車のみ、それより到着地側のバス停は降車のみという制約があります。
右の写真は管理人が福山駅まで乗車したしまなみライナーの大三島BSです。反対側の松山・今治↔宮浦港線高速路線バスの大三島BSがあります。
それと車いすユーザーにとって大きな問題点はバスの構造です。高速バスタイプと言って、全てのバスが乗降口は前扉のみで、そこには約4段のステップがあります。従って、自力で約4段のステップを昇り降りできない車いすユーザーは利用できません。
島内バスは、向島に1系統、因島に2系統、生口島に2系統、大三島に1系統、伯方島に2系統、大島に2系統程度であり、運行本数も少なく、時間に余裕がない場合は利用機会が少なく、タクシー依存とならざるを得ません。
レンタカー
レンタカーは便利ですが、慣れない場所で運転のために運転者が景色などを十分楽しめないことと費用の点でマイナス面が大きいこともあります。
このなかで、費用は大きいと思います。管理人が経験したことですが、「松山でレンタカーを借りて、翌日に倉敷市で乗り捨てる」ケースでのレンタル料金は約25,000円と言われました。実際にこの範囲を高速バス+路線バス+タクシー+JR普通列車の組み合わせ(障害者割引含む)で移動した結果は2人分で約8,000円でした。
自力で高速バスのステップを昇り降りできない車いすユーザーにとって、福祉仕様車のレンタカーや福祉タクシーは救いの手となります。
車いすに乗ったまま、スムーズに乗り降りできる車いす仕様車で車種のクラスをP2クラス(コンパクトカークラス)にした場合、概ね一般車と同じ約25,000円でレンタルできます。
ただし、取扱店舗はまだ少なく、松山と尾道で1店舗ずつ、福山で3店舗しかありません。
タクシー
タクシーを今治や尾道の出発地から島を跨いで利用すると、レンタカー以上の高額になりますので不経済です。故に、今治や尾道の出発地から目的の島までは、しまなみライナーや高速路線バスで行き、その先を島内バスを優先し、それがないときにタクシーを使うとよいでしょう。
しまなみ海道内の島内タクシーは、一つの島の中でタクシー会社は1〜2社しか無く配車台数が少ないです。配車されているのは数台と思いますので、時間帯によっては通院等で出払ってしまう可能性もあります。
確実に使うなら、事前予約しておくと間違いありません。
自力で高速バスのステップを昇り降りできない車いすユーザーにとって、福祉仕様車のレンタカー同様に福祉タクシーは救いの手となります。福祉タクシーとは、車いすのまま乗降できるリフト付き福祉車両が使われますが、ドライバーはホームヘルパーの資格を持っていない方がほとんどのため、家族や同行者が乗降ヘルプを行う必要があります。 また、介護保険適用外のために、料金は全額利用者負担となります。料金は一般のタクシーと概ね同じのケースが多いようです。