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車いすで行くしまなみ海道

しまなみ海道はサイクリングの聖地と言われ、インターネット上に「しまなみ海道を自転車で楽しむ」記事が溢れていますが、「ハンディのちから」の「車いすで行くしまなみ海道」では、 障害者やシニアなどのハンディをお持ちのお客さまの楽しい旅に役に立つ、車いすユーザーからの視点で、しまなみ海道のバス(高速バス・路線バス)・レンタカー・タクシーなどの移動手段・しまなみ海道の徒歩圏内に自然や文化や食を楽しむことができる見所・しまなみ海道の橋の楽しみ方情報をご提供しています。

このページの基本的視点

しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は本州側の西瀬戸尾道ICと四国側の今治IC間にある、向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島を新尾道大橋・因島大橋・生口橋・多々羅大橋・大三島橋・伯方大島大橋・来島海峡大橋で結ぶ46.6kmの有料道路です。国土交通省が整備した生口島道路(6.5km)及び大島道路(6.3km)と直結した全長59.4kmの自動車専用道路は「瀬戸内しまなみ海道」の愛称で親しまれています。
新尾道大橋以外の各橋には尾道から今治に至る原動機付自転車・歩行者専用の道路も併設され、本州と四国を結ぶ連絡道路としての役割はもちろん、島々に住む人々にとっての生活道路としても大きな役割を果たしています。
しまなみ海道ができる前に尾道↔今治間を大変な時間をかけて船舶で移動していた観光客にとっても、今はこのエリアを高速道路を使って自由に往来できることは嬉しい限りです。
このページは、つぎの観点から作成しています。
  • 連絡道路としてではだけでなく、6つの島の自然や文化、食を楽しむ
  • 因島大橋・井口橋・多々羅大橋・大三島橋・伯方大島大橋・来島海峡大橋を楽しむ
  • 車いすユーザーの視点で解説します。管理人は短い距離や数段の階段は昇れる車いすユーザーですが、車いす以外では行動できない車いすユーザーにも視点を当てて考えています。

しまなみ海道の移動手段

しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は、鉄道が走っている瀬戸大橋とは異なり、鉄道は運行されていません。従って、このエリアの経済的な移動手段は、バス(高速バス・路線バス)・レンタカー・タクシーの順になります。

バス(高速バス・路線バス)

大動脈である「しまなみライナー」は、今治↔福山・今治↔尾道・今治↔広島の3系統が運行されています。今治↔福山系統は時間も1時間に1本ペースで運行されているので利用がしやすいと言われていますが、今治↔尾道・今治↔広島の2系統は1日3運行と少なく、今治↔広島系統は予約が必要となっています。
も一つ不便な点は乗降制限があることです。瀬戸田PAと瀬戸田BSは乗降できますが、それより出発地側のバス停は乗車のみ、それより到着地側のバス停は降車のみという制約があります。
右の写真は管理人が福山駅まで乗車したしまなみライナーの大三島BSです。反対側の松山・今治↔宮浦港線高速路線バスの大三島BSがあります。
それと車いすユーザーにとって大きな問題点はバスの構造です。高速バスタイプと言って、全てのバスが乗降口は前扉のみで、そこには約4段のステップがあります。従って、自力で約4段のステップを昇り降りできない車いすユーザーは利用できません。 島内バスは、向島に1系統、因島に2系統、生口島に2系統、大三島に1系統、伯方島に2系統、大島に2系統程度であり、運行本数も少なく、時間に余裕がない場合は利用機会が少なく、タクシー依存とならざるを得ません。

レンタカー

レンタカーは便利ですが、慣れない場所で運転のために運転者が景色などを十分楽しめないことと費用の点でマイナス面が大きいこともあります。
このなかで、費用は大きいと思います。管理人が経験したことですが、「松山でレンタカーを借りて、翌日に倉敷市で乗り捨てる」ケースでのレンタル料金は約25,000円と言われました。実際にこの範囲を高速バス+路線バス+タクシー+JR普通列車の組み合わせ(障害者割引含む)で移動した結果は2人分で約8,000円でした。
自力で高速バスのステップを昇り降りできない車いすユーザーにとって、福祉仕様車のレンタカーや福祉タクシーは救いの手となります。
車いすに乗ったまま、スムーズに乗り降りできる車いす仕様車で車種のクラスをP2クラス(コンパクトカークラス)にした場合、概ね一般車と同じ約25,000円でレンタルできます。
ただし、取扱店舗はまだ少なく、松山と尾道で1店舗ずつ、福山で3店舗しかありません。

タクシー

タクシーを今治や尾道の出発地から島を跨いで利用すると、レンタカー以上の高額になりますので不経済です。故に、今治や尾道の出発地から目的の島までは、しまなみライナーや高速路線バスで行き、その先を島内バスを優先し、それがないときにタクシーを使うとよいでしょう。
しまなみ海道内の島内タクシーは、一つの島の中でタクシー会社は1〜2社しか無く配車台数が少ないです。配車されているのは数台と思いますので、時間帯によっては通院等で出払ってしまう可能性もあります。
確実に使うなら、事前予約しておくと間違いありません。
自力で高速バスのステップを昇り降りできない車いすユーザーにとって、福祉仕様車のレンタカー同様に福祉タクシーは救いの手となります。福祉タクシーとは、車いすのまま乗降できるリフト付き福祉車両が使われますが、ドライバーはホームヘルパーの資格を持っていない方がほとんどのため、家族や同行者が乗降ヘルプを行う必要があります。 また、介護保険適用外のために、料金は全額利用者負担となります。料金は一般のタクシーと概ね同じのケースが多いようです。

しまなみ海道の見所

しまなみ海道(西瀬戸自動車道)内の島内の見所は向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島それぞれで特徴があります。
しまなみ海道(西瀬戸自動車道)内の島内の観光スポットは、道の駅・寺社仏閣・神社・海と橋と山々の風景・柑橘類の農園・水軍などの博物館・展望公園などたくさんあります。 また、特に車いすユーザーにとって移動に時間が通常以上にかかりますので、事前の準備がよいと効率的に観光できます。
迅速な移動が難しい車いすユーザーに最適なスポットは、徒歩圏内に自然や文化や食を楽しむことができる施設がある、いわゆる複合型の観光地です。 しまなみ海道の複合型の観光地には港の発展との関連が特徴です。1999年 (平成11年)にしまなみ海道(西瀬戸自動車道)が開通する前までは、当該からの観光客のアクセスは船に限られていました。道の駅や大三島の西側の大山祇神社を中心にしたエリアや生口島の瀬田町エリアの複合型の観光地へのアクセスは、船から車に変わりました。

しまなみ海道の橋を楽しむ

しまなみ海道の橋は高速バスで瞬時に通過するだけでなく、橋を徒歩やサイクリングで渡ったり、展望台から見たり・橋の下から見上げたりする楽しみ方があります。
しまなみ海道の橋はいろいろなタイプがあります。新尾道大橋は斜張橋、因島大橋は自動車道と自転車歩行車道が2段階構造の吊橋、生口橋は斜張橋、多々羅大橋は鳥が羽を広げたようなフォルムと形容され非常に美しい斜張橋、大三島橋はアーチ橋、伯方大島大橋は伯方橋が桁橋、大島大橋が吊橋、来島海峡大橋は20世紀の架橋技術の結晶といえる世界初の三連吊橋です。

橋を渡る

尾道と今治を結ぶしまなみ海道は、全長約60kmの自動車専用道路ですが、橋の部分のみ原付及び自転車歩行者道が併設されています。尾道から今治まで歩いて渡ることも可能です。 尾道市街と向島とをつなぐ「新尾道大橋」には、自転車歩行者道が併設されていません。また、新尾道大橋と並行して設置されている「尾道大橋」(広島県管理)は、歩道が狭く交通量も多いため、歩行者、自転車の方は、渡船のご利用をおすすめします。
車いすで自動車専用道路である橋の原付及び自転車歩行者道を安全に渡るためにつぎのことに注意しましょう。
  • 一般道から橋梁部の自転車歩行者道の入口は、しまなみ海道の自動車専用道路の入口(インターチェンジ)とは異なります。
  • 一般道から橋梁部へ行く自転車歩行者専用道路は、しまなみライナーのバス停(約海抜35m)→国道(約海抜4m)→自転車歩行者用橋梁部出入り口(約海抜35m)と高低差があり、平均勾配が約5%あるので、車いすユーザーは介護者と一緒に行きましょう。
  • 自転車歩行者専用道路とは別に、ショートカットできる歩行者専用道路(階段)もあり、時間を気にしている健常者は利用できます。
  • 自転車・二輪車通路と歩行者通路がの区分は二通りあり、生口橋、多々羅大橋、来島海峡大橋の橋梁区間は自転車と歩行者が混在して通行する施設に、因島大橋はしまなみ海道で唯一、自動車道の下に自転車・歩行者の専用道が作られ、自転車・二輪車と歩行者が完全分離されていて安心です。

橋を見る

なしまなみ海道は車で走り抜けてしまえばあっという間の道のりですが、自転車で海峡を渡れるサイクリングロードとしても有名です。寄り道して少し橋から離れた展望スポットから、橋と海と緑を楽しいでしょう。
そのときの移動手段は車がおすすめです。多くの展望スポットは約200mを超える山頂にあります。特に一番景色の良い亀老山展望台へは、山頂まで急勾配の山道を通って行けますので、足腰の弱い人は車での移動が必須です。
車いすユーザーが行ける展望台は少ないですが、つぎの展望台は完全ではないがバリアフリーです。
  • 展望台入り口の看板から距離約3km平均斜度8度(山頂付近は10度以上)と険しい狭い山道が続きすが、駐車場まで車で行くことができる亀老山展望公園
  • 盲導犬の受け入れ可、障害者用駐車場、車いす対応トイレ、車いす対応スロープ、貸出車いすがある来島海峡展望館
  • 頂上に車が8台ぐらい停められるスペースの駐車場の横にある2階立ての展望台(1階:トイレ・2階:展望台)がある高見山展望台
  • 展望台への約20段の石段の右側に傾斜はきついですが、簡易舗装された小道があります。なお、展望台が建っている敷地からエントランスまで、手すりはありますが、7〜8段の階段がある多々羅展望台

グルメ

しまなみ海道の位置する島々での特産品はみかん、レモン、カボスなのど柑橘類、瀬戸内海で取れた新鮮な魚介類、お好み焼きやB級グルメと呼ばれるものまで様々あります。
これらは、島々に下り立ち、御食事処や道の駅、カフェなどに行って味合うことができます。
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