健常者と同じサービスを受けられる環境
健常者と同じサービスを受けられる環境は、基本的な「館内を車いすで単独に移動できること」に加えて「大浴場や露天風呂、内風呂に車いすでも入浴できること」と「快適な睡眠ができること」です。
館内を車いすで単独に移動できることは、駐車場~フロント~障害者対応客室~大浴場~食事処~トイレなどを、スロープ・エレベータ・エスカレータ・多目的トイレ・旅館スタッフの援助などで、自由に行き来できることです。
一般的に言われる「バリアフリーの宿」はおおむね「館内を車いすで単独に移動できること」を満たしているだけの宿泊施設が約90%です。ハンディが見て本当に宿泊できる施設として欠けているのは「大浴場や露天風呂、内風呂に車いすでも入浴できること」です。このことを考慮した本当のバリアフリーの宿は二三百軒しか無いでしょう。
「大浴場や露天風呂、内風呂に車いすでも入浴できること」は、障害の程度によって要求される設備が大きく異なります。まず、「ハンディのちから」は利用者の障害の状態をつぎの3つに区分してご紹介しています。
- 利用者自身が浴槽を跨いで入浴できる
- 利用者自身が移乗台やチェアなどの入浴補助具があれば浴槽に入ることができる
- 利用者自身は自力で入浴は出来ないので、スライド式やリフト式など自動入浴設備に乗せてもらい入浴する
車いすを使われている障害者やシニアなどのハンディにとって、大まかな入浴動作と要求される設備はつぎのとおりです。
- 車いすで浴槽の近くまで移動する。
- 車いすから浴槽に入る。
- 浴槽の中で座る。
管理人がよく利用する「楽天トラベル」には、約26,800宿泊施設が登録されています。このなかでバリアフリーを表示している宿泊施設は概ね一割くらいあると思います。
「ハンディのちから」は、これらの中からバリアフリールーム(車いす使用者利用客室のみは除く)を備えている427宿泊施設をご紹介しています。さらにこれらを、
- リフトや自動入浴設備があるバリアフリーの宿
- 入浴補助具があるバリアフリーの宿
- 車いす対応のバリアフリーの宿
としてご紹介しています。
何が障害者やシニアなどのハンディに優しい快適宿泊を疎外しているのかは障害者の目線で見ないと分からないことが実に多いのです。