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木立ベゴニアの育て方

「木立ベゴニアの育て方」では、置き場・水やり・施肥・植え替え・切り戻しなどの木立ベゴニアの生育環境や繁殖・病害虫など木立ベゴニアをシーズン物で終わらせたくない方へ木立ベゴニアの育て方を提案しています。

木立ベゴニアの生育環境

木立ベゴニアの生育環境には、「置き場」・「水やり」・「施肥」・「植え替え」・「切り戻し」などの管理が必要です。木立ベゴニアなどを育てていて一番落胆するのは、開花しないときではないでしょうか。開花しないの原因は日照不足、水不足、肥料不足、根詰まり、病害虫の5つがあります。
木立ベゴニア栽培のポイントは
  • 置き場所:春秋は屋外の日当り・真夏は屋外の半日陰・冬期は室内の日当り
  • 水やり:4月〜10月は鉢の表土が乾いたらたっぷり、11月〜翌年3月は控えめに
  • 春と秋には燐酸分が多い液体肥料[N-P-K=6-1--5]を定期的に与える
  • 3月下旬・6月中旬〜7月中旬・9月上旬にはカリ分が多い液体肥料[N-P-K=6.5-6-19]を定期的に与える
  • 切り戻しと植え替えでリフレッシュする
です。
  

木立ベゴニアの置き場

木立ベゴニアの置き場の環境で注意すべきことは、適度な日当りと夏の高温多湿、冬の寒さです。
基本的には日向で育てますが、梅雨から秋の間は風通しが良い明るい日陰で育てます。強い直射日光に当てると葉が部分的に葉焼けをしますので、直射日光と高温に注意します。葉焼けした場合、変色した部分を1mmほど残して切り取ります。
  • 4月には屋外へ出して、日向に置きます。
  • 5〜9月の間は湿気と暑さを避けるために、風通しのよい明るい日陰で管理します。
  • 10月〜11月は屋外の日向に置きます。
  • 12月〜翌年3月の間は室内(東向きまたは南向きの日当りに置く)へ取り込みます。最低温度は7〜8℃位は必要です。

木立ベゴニアの水やり

木立ベゴニアの水やり 木立ベゴニアは元々乾燥を好む植物ですので、過湿には注意が必要です。
  • 4月〜10月は鉢の表土が乾いたらたっぷり
  • 11月〜翌年3月は控えめに(目安は1回/4〜5日)、ただし、冬でも室温が15℃以上に保てるのであれば、鉢の表土が乾いたらたっぷり。
鉢植えは表土が白っぽく乾いてから「たっぷり」与えます。「たっぷりと与える」と水が根全体にゆきわたりますので、底からしみだすほどタップリやることが大切です。しかし、長雨が続く時は、少し萎れていても雨上がりまで待ちましょう。
また、水は葉や花に掛けてはいけません。イラストのように株元に水やりをします。

木立ベゴニアの肥料

長期間咲き続ける木立ベゴニアの施肥はあらかじめ用土の中に緩効性化成肥料(N-P-K=10-10-10)または油かす等の有機質肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥は三要素等量の置き肥か、液体肥料を与えます。
植え替えを行った場合は一か月後に施肥します。
三要素等量の置き肥の場合、4月〜7月は1回/月の頻度で施肥します。液体肥料の場合、4月〜10月に1回/10日の頻度で、4月〜6月は燐酸分が多い液肥を、7月〜10月はカリ分が多い液肥を施肥します。
  

木立ベゴニアの切り戻し

乱れた草姿
切り戻し後
乱れた草姿 切り戻し後
春から生育してきた株は、草姿が崩れたり花付きが悪くなります。そこで梅雨に入った頃に、切り戻しを行います。根詰まりしていれば同時に植え替えもします。木立ベゴニアの切り戻しの適期は5〜7月中旬と9下旬〜10月中旬です。
切り戻しのポイントはつぎの通りです。
  1. 直立した茎を元気な葉を残して1/2程度に切り詰めます。
  2. 葉芽がある節の上で切ります。花が付いた節には葉芽が無いのでこのような節の上では切らない。
  3. 中央が高くなるように切り詰めると形が良くなります。
  4. 次第に脇芽が伸び始めます。
 

木立ベゴニアの植え替え

木立ベゴニアは春から初夏が最も生育が旺盛で、6月〜7月頃に根詰まりしやすく、下葉が落ちたり上の茎まで木質化し、生育が停滞して開花しなくなります。木立ベゴニアの植え替えの適期は5〜7月中旬と9下旬〜10月中旬です。
木立ベゴニアの土は水はけが良くて有機質に富んだ酸性の軽めの土が適します。赤玉小粒30%:ピートモス30%:ピートモスまたは腐葉土30%:鹿沼土10%:バーミキュライト30%の割合で混ぜた土を使用します。元肥が入った草花用培養土でもよい。
木立ベゴニアの根が良く張っていたら、大胆に周囲の根を1/3くらい落して、土もほぐして1/2くらい落して一まわり大きな鉢に植え替えます。
植え替えたら、1週間ほど半日陰に置いて、鉢土が乾くのを待って水やりします。
元気な状態で夏越しさせると、生育が途切れること無く、秋からも花を咲かせます。

木立ベゴニアの挿し芽

天さし
管ざし
天さし 管さし
木立ベゴニアの株が老朽化したり、殖やしたい場合には挿し芽をします。木立ベゴニアの挿し芽の適期は4月中旬〜6月下旬と9上旬〜10月中旬です。梅雨の時期は湿度が高いために、挿し穂が萎れるリスクが少なく、成功率が高まる時期です。
葉芽
木立ベゴニアの挿し穂は天さしでも管ざしでも可能です。挿し穂には木質化した部分や柔らかすぎる部分は避けます。管ざしの場合は葉芽のある節を選ぶ必要があります。
右の写真の茎には節が5つあります。下の3つの節には葉芽がありますが、上の2つの節には葉芽がありません。また、老朽化した株の見分け方はつぎのとおりです。
  • 葉の緑色が薄く黄ばんでいる。茎が茶色で木質化し、下葉が落ちている
  • 根が表土付近をぐるぐる廻っている

挿し芽
木立ベゴニアの挿し芽はつぎの要領で行います。
  1. 挿し穂は木質部や柔らかい部分を除いて3節を切り取り、本葉を2~3枚つけて下葉を切り取ります。
  2. 蒸散を防ぐため、葉は1/2の大きさに切っておきます。こうすると葉の水分蒸発が少なくなり、発根しやすくなります。
  3. 肥料分をあまり含まない土(管理人は赤玉土・バーミキュライトなどのうち一種類を使います)で発根剤を付けて挿します。いずれも小粒のものがあれば挿し木にはその方が適しています。
  4. 深さ2cmくらいまで挿して、たっぷり水やりします。
  5. 挿した穂は葉を乾かさないよう直射日光や風の当たらないところに置きます。
  6. 一か月ほどで発根します。

木立ベゴニアを大株に育てる

木立ベゴニアは3〜4年で1m以上の大株に育てることができます。中にはどの角度からでも美しい花房を見ることができる4m以上にもなる品種もあります。冬期に屋内に取り込まなければならない木立ベゴニアのこれらの大型品種は個人で栽培することは難しいですが、植物園や特定の個人宅では栽培されています。そこで、1〜1.5m程度の大株についてお話しします。
N-P-K=6-1-5
N-P-K=6.5-6-19
株を老化(木質化)させないことが大株に育てる”こつ”です。老化を防止するにはつぎの2つの栽培方法があります。
  • 適宜に鉢増しをする(年に1〜2回、春と秋に2回り大きな鉢に植え替え、株元の芽が土に埋まるようにやや深めに植えると、土中から芽が伸びて株立ち状になりよりボリューム感が増します)
  • 肥料切れを起こさない(真冬を除いて液体肥料、春と秋には燐酸分が多い液体肥料[N-P-K=6-1-5]を、3月下旬・6月中旬〜7月中旬・9月上旬にはカリ分が多い液体肥料[N-P-K=6.5-6-19]を定期的に与えます)
ことです。
木立ベゴニアの鉢増しの適期は4月中旬〜7月中旬と9上旬〜10月中旬です。

木立ベゴニアの病害虫

木立ベゴニアの病害虫は主にアブラムシ・ハダニ・灰色かび病・うどんこ病などが発生します。
  • アブラムシは体長2〜4mm程度で、3月〜10月(特に4月〜6月、9月〜10月に注意)に主に葉の裏や新梢に発生します。アブラムシは繁殖力が強いのでこまめに確認しましょう。
    アブラムシの駆除は早期なら薬剤を散布します。大量に発生してしまったら、被害部分は切り取って焼却処分します。木立ベゴニア本体は薬剤を散布しておきます。
  • ハダニは体長0.5mm程度で高温乾燥の環境において、3月〜10月に主に葉の裏に発生します。ハダニが発生すると「葉が白くカスリ状」になります。
    ハダニの駆除には早めに薬剤を散布したり、定期的に流水で葉っぱの裏から洗い流したりします。
  • うどん粉病は胞子が風で運ばれ、新葉や新枝、蕾、花首に4月〜11月(特に5月〜7月、9月〜10月に注意)に発生します。「真っ白な粉をふいたような」状態ではうどん粉病が発生しています。
    うどん粉病は1回の薬剤散布ではなおりません。
    • 株から30cm位離した位置から、薬剤を株全体に散布します。
    • 1回の薬剤散布ではなおりませんから、1週間後にまた散布します。
    • 2回目の薬剤は1回目と違う薬剤を散布します。
    • 窒素肥料を与えすぎ軟弱化した木立ベゴニアには発生しやすいので、肥料管理を適切に行います。
    • 比較的高温で低湿度発生しやすいので、晴天が続く場合、葉水をかけるとうどん粉病の進行を遅らせることができます。
  • 灰色カビ病は3月〜12月(特に春先〜梅雨、初秋〜初冬の低温多湿に注意)に発生します。葉が溶けるように腐ったり、花弁に水滴がにじんだような跡が付いたら灰色カビ病の発生です。
    • 灰色カビ病の予防は「風通りがよく、湿気の少ない場所で栽培する」ことです。
    • 発生してしまったら、被害部分は切り取って焼却処分します。
木立ベゴニアの病害虫は早期発見に努め、下記の中から3種類の殺虫剤や繁殖力の低下資材を用いて駆除します。木立ベゴニアに限らず発見したらすみやかに園芸用の殺虫剤等で駆除することが大切です。
薬剤名: 画像: テキスト: 用途:
オルトラン水和剤 住友化学園芸 殺虫剤 オルトラン水和剤 1g×10 メール便対応(4点まで) 植物の汁を吸う害虫や葉を食い荒らす害虫効果
粘着くん液剤 粘着くん液剤 1L アブラムシ、タバココナジラミ、ハダニなど予防
オルトラン粒剤 住友化学園芸 殺虫剤 GFオルトラン粒剤 200g アブラムシ・アオムシ・ヨトウムシなど予防
ベンレート水和剤 住友化学園芸【殺菌剤】ベンレート水和剤 0.5g×10袋 うどんこ病・灰色かび病・菌核病などに効果
  
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