ガーデニング&園芸

毎年咲かせるための菊(キク)の育て方

「菊(キク)の育て方」では、 置き場・水やり・施肥・植え替え・剪定などの菊(キク)の生育環境や短日化処理・繁殖・病害虫など、菊(キク)をシーズン物で終わらせずぬ毎年咲かせるための菊(キク)の育て方を提案しています。

菊(キク)の生育環境

菊(キク)の生育環境には、「置き場」・「水やり」・「施肥」・「植え替え」・「剪定」などの管理が必要です。菊(キク)などを育てていて一番落胆するのは、開花しないときではないでしょうか。開花しないの原因は水不足、肥料不足、日照不足、温度不足、病害虫の5つがあります。
菊(キク)栽培のポイントは、
  • 短日下で花芽が分化し、開花には7℃以上が必要とされています。
  • 生育の適温は7~18℃程度であり、耐寒性に強い。
  • 基本的には日当りが良く有機質に富む肥沃な土壌を好む。
  • 株の更新は1〜2年で必要。
です。
  

菊(キク)の置き場

菊(キク)の置き場の環境で注意すべきことは、品種で異なる日照条件です。
菊(キク)は一般的には日当たりを好みますが、秋明菊は半日陰でよく生育します。短日化処理をする時期、時間以外は良く日光に当てるようにしましょう。
菊(キク)は寒さに強く、その生育温度は7℃~18℃くらいです。
植える場所は基本的には花壇や鉢植えができますが、ポットマムは鉢植え、エキナセアや源平小菊(エリゲロン)は花壇植えに適しています。

菊(キク)の水やり

菊(キク)の水やり 菊(キク)は水を欲しがる植物ですが、土の表面が乾き始めてから数日我慢をして葉が少しだけ垂れはじめたら、鉢底から水がしみ出すくらいたっぷりと与えるのがコツです。
「たっぷりと与える」と水が根全体にゆきわたりますので、底からしみだすほどタップリやることが大切です。
過湿すぎると根をいためて成長が阻害されます。水が少なすぎると茎が硬くなってしまい,気に入った成長をしてくれません。
また、水は葉や花に掛けてはいけません。イラストのように株元に水やりをします。

菊(キク)の肥料

1ヶ月に1回、緩効性肥料を与えるか、1週間に1回、液肥を開花前まで与えます。
冬期、開花している状態の株は根の成長が止まっていますので必要ないと言うよりも、根腐れの原因になりますので厳禁です。
植え替えてから2週間くらいの間も控えましょう。
更に肥料のNPK配分を考慮して施肥を行うと良い結果が得られます。チッソ5:リン酸6:カリ2:マグネシウム2(苦土)の有機質を完全発酵させた油かす・骨粉・魚粉・米ぬかなどをブレンドした有機質肥料が適しています。
  

菊(キク)の植え替え

よく発根した菊(キク)の苗を3号ポットに赤玉土(小粒)5・腐葉土5などで植えつけます。これを「ポット上げ」といいます。
次は鉢上げと呼ばれる植え替えです。ポット苗が10cm程に伸びたら3号ポットから4号鉢に植え替えます。
4号鉢に植え替えてから一か月ほど経ったら6号鉢に植え替えます。2度目の鉢上げです。菊は鉢上げを繰り返して大きくしていきます。
用土は菊の専用培養土や、鉢植えの場合、「赤玉土(小粒)5・腐葉土5」ぐらいと緩効性の元肥をブレンド、花壇の場合は腐葉土と牛ふんなどをブレンドするとよいでしょう。
 

菊(キク)の剪定

夏菊は秋に株元から出た芽を株分けしておき、あまり草丈を高くしたくないために春に切り戻しをします。8月咲き夏菊は4月中に摘心し、5月定植の場合は9月咲きになるので摘心しない。9月咲き夏菊は6月中に摘心します。
スプレー菊は7月頃に頂芽を摘むと3週間ぐらいで、側枝が15cmぐらいのびてきます。9月に再度その側枝の先端をまたつまむとさらに側枝が出てくるので、それを育てていきます。10月になると花芽が一つの枝5~6個つきます。再度摘心すると草丈は短くなりますが、花数が多くなります。
寒菊小菊・中輪は定植2週間後、頂芽を摘心します。9月に再度摘心すると草丈は短くなりますが、花数が多くなります。
ポットマムは春になって地中から新芽が出てくる頃に一回り大きな鉢に植え替えて、肥料を施します。芽が10cmほどに伸びてから、摘心を繰り返し5~6月頃に、その先端の芽を挿します。
5月までに挿し芽した場合は6月中に鉢増しを行い、7月上旬~8月上旬に定植すると良いでしょう。

菊(キク)の短日化処理

菊(キク)の水やり 菊(キク)はシャコバサボテンやポインセチア、カランコエなどと同じように短日性植物です。1日のうちで夜のように暗い状態が12〜13時間以上になると開花します。夜の長さが一定時間(通常12~13時間)以上続き ますと花芽形成を引き起こします。菊(キク)のにおいては,花芽形成に必要な短日の日数は最低3日とされ,10日間短日が続きますと,茎頂に花芽が認められると、言われています。
夏菊は日長に関係なく温度によって開花する性質をもっています。秋に咲く菊は日が短くなると花芽をつける短日性植物であるのに対し、夏菊は5~6月咲きは最低気温10℃以上、7~8月咲きは15℃以上の気温で花芽が付きます。
 

菊(キク)の繁殖

菊菊(キク)のの繁殖は挿し木・株分け・根挿しで繁殖します。挿し木は親と同じ性質をもつクローン苗が得られ、花も早く楽しめ、タネができにくい植物でもふやすことができます。
  • エキナセア:4月に株分け・根挿し
  • 源平小菊(エリゲロン):4月に株分け・根挿し
  • 秋明菊:3〜4月に株分け・ランナーが伸びて子株
  • 寒菊:5〜6月に挿し木
  • 夏菊:9〜10月に株分け
  • ポットマム:5〜7月に挿し木
  • スプレー菊:4又は7月に挿し木
  • ざる菊:3月下旬〜4月初旬に冬至芽を株分けまたは挿し木

菊(キク)の病害虫

病害虫はガーデニング愛好家にとっても、厄介な現象です。この記事を書いているときも、二日間見回りをしなかった間に「オクラ」の葉が害虫に食い荒らされてしまいました。
菊(キク)にアブラムシ、ハダニなどが発生します。
鉢植えの場合は事前にオルトラン粒剤をまいておきます。早期発見に努め殺虫剤や繁殖力の低下資材を用いて駆除します。菊(キク)に限らず発見したらすみやかに園芸用の殺虫剤等で駆除することが大切です。
  • ハダニは体長0.5mm程度で高温乾燥の環境において、3月〜10月に主に葉の裏に発生します。ハダニが発生すると「葉が白くカスリ状」になります。
    ハダニの駆除には早めに薬剤を散布したり、定期的に流水で葉っぱの裏から洗い流したりします。
  • アブラムシは体長2〜4mm程度で、3月〜10月(特に4月〜6月、9月〜10月に注意)に主に葉の裏や新梢に発生します。アブラムシは繁殖力が強いのでこまめに確認しましょう。
    アブラムシの駆除は早期なら薬剤を散布します。大量に発生してしまったら、被害部分は切り取って焼却処分します。菊(キク)本体は薬剤を散布しておきます。
菊(キク)の病害虫は早期発見に努め、下記の中から3種類の殺虫剤や繁殖力の低下資材を用いて駆除します。菊(キク)に限らず発見したらすみやかに園芸用の殺虫剤等で駆除することが大切です。
薬剤名: 画像: テキスト: 用途:
オルトラン水和剤 住友化学園芸 殺虫剤 オルトラン水和剤 1g×10 メール便対応(4点まで) 植物の汁を吸う害虫や葉を食い荒らす害虫効果
アクテリック乳剤 住友化学園芸STアクテリック乳剤 30ml カイガラムシ・アブラムシなどの害虫予防
オルトラン粒剤 住友化学園芸 殺虫剤 GFオルトラン粒剤 200g アブラムシ・アオムシ・ヨトウムシなど予防
粘着くん液剤 粘着くん液剤 1L アブラムシ、タバココナジラミ、ハダニなど予防
  
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