車いすで行ける身延山久遠寺

アクセス

身延山町へアクセス

身延山久遠寺は山梨県の南西部に位置し、東京方面から車では東京方面より中央自動車道(新宿→双葉JCT→(中部横断道)→身延山IC→身延/約2時間)ルートと東名・新東名高速道(東京→新清水JCT→(中部横断道)→身延山IC→身延/約2時間10分)ルートがあります。東京方面から電車ではJR中央本線特急(甲府駅乗り換え)・JR身延線特急で身延駅下車(2時間40分)、JR東海道新幹線/約1時間5分)→新富士→(バス・タクシー/約10分)→富士→(JR身延線特急/約1時間)-身延駅下車ルート(2時間15分)、JR東海道新幹線/ひかり:約1時間)→静岡→(JR身延線直通特急/約1時間20分)-身延駅下車ルート(2時間20分)ルートがあります。いずれも乗り換え時間は含みません。

身延山久遠寺境内へアクセス

身延山久遠寺には、車椅子ルートの西谷せいしん駐車場(284m)&三門(273m)・久遠寺境内(339m)・奥之院思親閣(1,148.3m)の大きな3層の段差があります。 三門(273m)から久遠寺境内(339m)へ行くには、かなり健脚の人は門前駐車場などを利用し、門内商店街を散策して「三門」をくぐり、287段の「菩提梯」を上がり、本堂へ向かうルートが選択できます。287段の「菩提梯」の傾斜は25%もあります。普通の脚力の参拝者は、本堂に至る「男坂」を登るか、境内の甘露門に至る「女坂」を登ります。車椅子使用者は前記3ルートでは境内は行けませんので、国道804号(身延線)を北進し、「久遠寺入口」を左折し「総門」「三門」を通過して、約600m北上すると右手に西谷せいしん駐車場があります。西谷せいしん駐車場から本堂へは、下の駅で斜行エレベーターに車椅子のまま乗車し、本堂がある上の駅で降車します。斜行エレベーターは全長65m、高低差約55mを30名乗り搬器×2両のスロープカーで昇降できます。

斜行エレベーター

車椅子使用者は西谷せいしん駐車場(284m)へアクセスし、そこから55m高いところにある久遠寺境内(339m)へ、車椅子に乗ったままアクセスできます。この斜行エレベーターは、以前に北九州市の皿倉山ロープウェイで乗ったことがある「嘉穂製作所」制のスロープカーです。障害者用トイレは山麓駅を降りて見える本堂の左手にあります。

久遠寺境内のバリアフリー

一般的な神社仏閣の境内は車椅子が動きにくい砂利舗装で、香炉などにアクセスできず、建物外部の彫刻などを楽しむことが難しいです。また各建物の入り口に階段があり、車椅子ユーザーはアクセスできず、建物内の宝物や彫刻を楽しむことができません。
しかし、身延山久遠寺では、車椅子ユーザーでも建物の内外部から、見事な宝物や彫刻を楽しむことができます。下図は久遠寺境内のバリアフリー度を纏めた、「久遠寺境内バリアフリー度図」です。

久遠寺境内建物外のバリアフリー

久遠寺境内建物外のバリアフリーの中心は、「久遠寺境内バリアフリー度図」にオレンジ色の点線で示されている「バリアフリーカート道」です。バリアフリーカート道は、西側の本堂の裏手から東側の客殿の前までバリアフリーカート道が設置され、本堂の3面、薬師堂2面、報恩閣・御真骨道・仏殿・大客殿の前面、手水舎、香炉のアクセスを可能にしています。バリアフリーカート道は車椅子通行に十分な幅をコンクリート平板舗装し、車椅子が通行しやすい道になっています。
斜行エレベーター山頂駅から境内への移動ルートはフラットな舗装路面です。山頂駅を出ると境内に入り本堂の横にでます。右手に五重塔を見上げる地点です。境内は砂利路面ですが、大客殿・菩提梯・新エレベーター前まで舗装されたバリアフリーカート道が整備されています。
本堂の正面左側にある宝物館の入口は階段ルートで、そこから靴を脱いで段差を上がり観覧します。宝物館は車椅子では観覧できません。
本堂の前までバリアフリー通路を進みます。五重塔、手水舎、鐘楼が並ぶ配置で、五重塔と手水舎の間にバリアフリーカート道が伸びています。本堂前からバリアフリーカート道を右折すると、手水舎に近づきます。手水舎は砂利路面を通り、段差がある構造です。車椅子で手を浄めるのは介助が必要です。
バリアフリーカート道を通り、本堂前に再度移動します。正面が本堂、右隣が「祖師堂」です。お堂に沿ってバリアフリーカート道が整備されています。本堂の正面は段差構造です。新エレベーターを利用すると上部の回廊に車椅子で移動できます。祖師堂の前の香炉は車椅子でお参りが出来る構造です。祖師堂の正面の見事な装飾を、バリアフリーカート道から観覧できます。報恩閣の前を通ります。大きなしだれ桜があり、下の池には鯉が泳いでいます。バリアフリーカート道は、日蓮聖人が眠る御真骨堂拝殿の横を通ります。更に仏殿の前まで、バリアフリーカート道は続きます。バリアフリーカート道から、仏殿の見事な彫刻を見上げることができます。バリアフリーカート道は、釈迦殿新納牌堂方面へも伸びています。しだれ桜を近くから観桜できます。そして大客殿の前で、バリアフリーカート道は突き当たりになります。バリアフリーカート道を本堂方面に引き返します。この角度からもしだれ桜が楽しめます。

久遠寺回廊のバリアフリー

総受付・本堂・祖師堂・報恩閣・御真骨堂・仏殿・大客殿は回廊で繋がっており、一般の方々は本堂・報恩閣・仏殿の正面にある階段から回廊にアクセスします。しかし、車椅子ユーザーはここからアクセスできませんでした。2021年に完成した新エレベーターを利用した参拝ルートを通ると車椅子ユーザーも回廊に入れます。
新エレベーターは祖師堂と報恩閣の間にあります。新エレベーターを利用すると、駐車場から総受付・本堂・祖師堂・報恩閣・御真骨堂・仏殿・大客殿まで、階段を使用することなく参拝できるようになりました。車椅子で利用できるサイズのエレベーターです。上階は反対側のドアから出ます。車椅子で利用しやすい構造です。上階の回廊は土足禁止エリアです。エレベーターから出た場所に、ペーパータオルが置かれています。ここで車椅子のタイヤを拭いて回廊へ入ります。横に靴箱があります。
エレベーターから左方面に進むとすぐに祖師堂の回廊に入ります。そして本堂の回廊へとつながる連絡橋があります。連絡橋の段差は丁寧に解消されています。車椅子への配慮がある回廊です。そして本堂の回廊へ移動できます。本堂の回廊から五重塔とバリアフリーカート道がよく見えます。車椅子では本堂回廊から見ることができます。本堂のお参りが終わったら、同じルートで祖師堂に引き返します。
祖師堂の見事な装飾を近くから鑑賞できます。祖師堂をお参りしたら、総合受付と休憩所がある報恩閣に入ります。報恩閣はバリアフリー施設です。休憩所が2室あり、いずれも段差の無い構造で、車椅子で利用できます。休憩室には無料のお茶サービスがあり、久遠寺を紹介する映像コンテンツが放映され、各種のパンフレットが置かれています。報恩閣事務所の両サイドに男女別トイレがあります。男女別トイレ内の入口近くにバリアフリートイレがあります。
報恩閣から先へとバリアフリー回廊は続きます。御真骨堂の前を通り、仏殿へとつながります。仏殿の回廊にバリアフリーに移動できます。見事な彫刻を鑑賞しながら、仏殿の回廊を進みます。仏殿正面の回廊から大客殿の威容を鑑賞できます。仏殿正面の回廊に段差はありません。しかし仏殿正面入口には段差があります。段差を回避して仏殿に入るバリアフリーポイントが整備されています。回廊の床を上げて段差解消された入口から、仏殿に入ることができます。仏殿の周囲を廻り、バリアフリー回廊に戻ることができます。回廊の横に、仏殿内の上階へ行くための昇降機が用意されています。

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