ぶらり車いすバリアフリー旅行

車いすで出雲空港到着便に乗る

運賃体系・搭乗方法・予約方法

車いすで2023年4月4日羽田空港発出雲空港到着便&2023年4月7日米子空港発羽田空港到着便に搭乗した時の忘備録です。運賃体系・搭乗方法・予約方法について記述しています。

運賃体系

障害者手帳を所持している障害者が使える運賃体系は、普通運賃・障害者割引運賃・早期予約運賃があります。先得(JALの場合)を利用しています。何故なら、JALの場合、普通席の普通運賃は35,500円、障害者割引運賃は21,050円、ウルトラ先得運賃は15,000円(便によって異なり、9,500円、9,900円、14,500円、14,900円)であり、身体障害者割引運賃よりも最大で約11,550円安いからです。
最近はエコノミークラスでは疲れるので、国内線はクラスJを使っています。クラスJの普通運賃は37,550円、障害者割引運賃は22,050円、先得割引Type-A運賃は21,700円(便によって異なり、17,200円、17,900円、21,000円、21,700円)であり、先得割引Type-A運賃は身体障害者割引運賃とあまり変わりません。

JAL運賃体系が変わる!

2023年4月12日の搭乗分から国内線の運賃を変わります。早期予約割引運賃を含む主な航空券9種類を3種類にし、混雑状況に応じて価格を設定しやすくする。「先得割引」など、予約の時期に応じて8種類ある早期割引を、搭乗日前日まで買える「セイバー」、28日前までの「スペシャルセイバー」の2種類にする。普通運賃は「フレックス」と名前を変えて、日時や路線ごとに料金が変動する仕組みにする。今回の見直しで、極端に安い座席を減らし、採算性を高めたい考えだ。また、早期割引で買った航空券には適用されなかった往復割引や子ども運賃、障がい者運賃も併用できるようにする。往復割引は5%分、子ども運賃は25%分、障がい者運賃は20%安くなる。
この運賃体系で、羽田空港発出雲空港到着便を「障がい者運賃」を適用し、試算してみるとつぎのようになります。
普通席の普通運賃は27,210円(障がい者割引前33,920円)、セイバー運賃は19,114円、スペシアルセイバー運賃は15,505円、クラスJの普通運賃は31,434円、セイバー運賃は20,874円、スペシアルセイバー運賃は17,266円となります。
以前と比較すると、以前のウルトラ先得運賃とスペシアルセイバー運賃はほぼ同額です。
出雲便は5便/1日あり、以前は9,500円、9,900円、14,500円、14,900円)と便により異なっていましたが、新運賃体系では、全ての便が普通席は15,505円、クラスJは17,266円に統一され、早朝便は安いなどのメリットはなくなっている。

予約方法

目的地・出発時刻が決まったら予約をします。その時に最初にすることは、自分が一番快適に乗れる座席を確認して置きましょう。下図は管理人が乗ったJALのB737-800の座席図です。
jal_b737-800

クラスJは普通席が3-3配置なのに対しクラスJは2-3の配置で1列分も少なく、シートピッチも普通席より広くなっています。レッグレストも装備しています。クラスJは4列20席、普通席は15〜39列145席です。空港にて空席がある場合は、すべての運賃でアップグレードが可能です(別途料金が必要です)。
航空会社が車いすユーザーの予約を受ける際に知りたいポイントは、どういう搭乗方法が可能な障害者なのか、どの座席がいいのか、という2点になります。搭乗方法とは搭乗者が車いす利用する範囲によって決まります。 まずは車椅子の使用エリアの申告が必要です。
  • 空港内のみ車いすを利用する(長距離の歩行はできない)場合で、搭乗手続き後は杖などを使い自力歩行可能
  • 飛行機入口まで車いすを利用する、搭乗手続きの際に航空会社の普通の車いすに乗り換え、搭乗者の車いすは手荷物扱いとする
  • 機内の座席近くまで車いすを利用する、搭乗手続きの際に航空会社の機内用車いすに乗り換え、搭乗者の車いすは手荷物扱いとする。飛行機の通路幅は40cm程度で、市販されている普通の車椅子の幅は最小でも54cm程度なので、100%機内では使えません。下図の左の車椅子は車輪を取り外すと機内通路を通過できる幅になります。下図の右の車椅子は機内用車椅子で機内通路を通過できる30cm幅ですが、肘掛けがありません。  
    空港用車椅子
    機内用車椅子
     
2番目に使用している、手動or電動式・車椅子のサイズなどの仕様を申告します。
3番目に必要なサポートについて申告します。チェックインカウンターから座席までなど。「座席と化粧室の往復を客室乗務員が機内用車いすでサポートいたします」というサポートがあります。トイレ使用(20分)→事前搭乗(15分)→離陸(85分)→着陸(15分)→到着ロビー(計2時間15分)と予測し、今回予約時に管理人はこれを断って失敗しました。飛行機は常に遅延があると考えるべきでした。事前搭乗から離陸まで15分と考えていたのですが、荷物積載遅れ・滑走路混雑による離陸待ちで事前搭乗から離陸まで15分が55分かかり、この便は車椅子の搭乗者6名もおり、着陸から到着ロビーまで15分が30分かかり、計2時間15分が3時間15分もかかりました。そのために両手杖でやっと20m位先のトイレに辿り着きました。
旅行代理店経由で申し込みをする場合も、代理店の人が電話で航空会社と話をします。
電話をすると、障害の状況、車いすの種類、介助者の有無、座席の希望などを聞かれます。座席は、通常出入り口からなるべく近い席を薦められます。席が決まると、空港への来場の時間や受付カウンターの説明があります。空港や航空会社によりますが、専用のカウンターがある空港が増えています。羽田空港のJALではスマイルカウンターがあります。

搭乗・保安検査

車いすを預ける場合、移乗や車いすの確認などの手続きに15分ほど掛かることもあるので、1時間00分前にはチェックインカウンターへ行きましょう。

車いすの扱い

空港で貸し出し用の無料車いすはチェックインカウンターから使用できます。自身の車椅子は、一般的に飛行機内に持ち込まず、チェックインカウンターで一度預けることになります。その後は空港用の車椅子が借りられるため、機内までは乗り換えて移動します。
空港の貸し出し用無料車いすには、金属製の自走式車いす・木製のワイドな自走式式車いす(以上は機内入り口までの利用)・金属製の車輪着脱可能な自走式車いす・木製の介助式車いす(以上は機内座席まで車いすのまま入れる)がありますので、ユーザーの使用目的に合わせて選択できます。管理人は金属製の車輪着脱可能な自走式車いすを希望しましたが、この日は介助式しかありませんでした。搭乗口の手前までは自分で漕いで好きな場所へ行くことができず不便しました。搭乗口以降は空港職員の介助で機内の座席まで行きます。

保安検査場で手荷物の取り忘れが!

今回、保安検査場で杖を取り忘れる失敗をしました。搭乗口の状況を確認してラウンジに向かっていると、二人の男性に声をかけられました。何と、その方達が管理人の杖を差し出したのです。その時初めて、保安検査場で手荷物として機内に持ち込む杖を取り忘れたことに気づいた次第です。X線で検査を受けるときに、かごに入れますが、杖はトレーに入らないために受け取るべき手荷物が2つになっていたのです。かばんだけ受け取って搭乗口へ向かってしまったのです。
パートタイム車椅子ユーザーである管理人は、車椅子に乗りながらも常に杖を2本携帯しています。目的は車椅子が使えないが、短距離の場合は両手杖で歩行するためです。今回、この杖を使って、何とかトイレに行きました。さらに、離陸してしまってから、杖がないことに気づいたら、この旅行は台無しでした。係員の方々ありがとうございました!トレーにのせた手荷物の取り忘れがないかをしっかり確認しましょう。

ラウンジ

今回は搭乗開始まで時間がありましたので、ラウンジを利用しました。ラウンジ内は喧騒とは無縁の空間で、ソファ席やカウンター席が用意されています。コンセントが設置されており、充電には困りません。窓から飛行機たちが見えるカウンター席は二人で座れませんでした。席を探していると、女性のスタッフが案内してくれ、好みのドリンクを聞き、サービスしてくれました。
パワーラウンジサウス

搭乗

事前搭乗サービスというサービスがあり、車いすユーザーはこのサービスを利用できます。機内準備が整い次第、初めに案内してくれます。
  

着陸前の松江周辺

管理人の機内時間の楽しみ方は、左窓側の席であればやっぱり外の景色を眺めることです。飛行機で「旅行を楽しむ」という気持ちを持っています。
今回は、まず機内から富士山・甲府盆地を、15〜25分で南アルプスから北アルプスを楽しむことができました。約1時間後に機内から鳥取の大山を一望することができました。そして出雲空港は宍道湖の端っこに作られているので、着陸は宍道湖の上を飛んで行きます。波がなくて鏡みたいな湖に移る機影とか眺めていて、飛行機での旅はいいなと思いました。
JAL279便は、離陸から10〜20分で富士山・甲府盆地を、15〜25分で南アルプスから北アルプスを、25〜35分で濃尾平野・岐阜を、30〜50分で琵琶湖を、45〜70分で大山を、そして着陸直前では宍道湖を見ることができます。
羽田空港から出雲空港ルート
南北アルプス山脈
大山
宍道湖
  

到着時刻・乗り換え遅れ

前項で搭乗するときは、「機内準備が整い次第、初めに案内してくれる」と言いましたが、降機の場合は逆になり、一般乗客が前方から順番に降機します。飛行機の到着時刻は「飛行機が駐機場で完全に停止した時間」です。定刻ベースでお話ししますが、出雲空港のJAL279便では、到着時刻11:35、バスの出発時刻は11:45で、乗り換え時間はわずか10分間ですが、「出雲空港出発はJAL279便の着時間並びに最終手荷物引渡しのため変動する場合があります」とあります。ここで問題になるのがその確認方法です。運行会社によりますと、「運転手が発券数と乗客数を確認して一致したら発車します」と言う説明でした。今回、管理人がJAL職員の誘導で、最速のルートで到着ロビーに到着し、バス券売機の近づいたとき、バス券売機は締め切られ、バスは発車した後でした。まだ、預けた荷物も受け取る前ですよ。運行会社のスタッフは、「発車を知らせるアナウンスをした」と主張しましたが、管理人はまだ機内で車椅子が来ないので待機していた時間です。ここで問題なのが、バス券売機を締め切る時刻が何を判断に決められているか、もうバス券を買う人はいないことを、どうやって判断しているかでしょう。
それでは、「165人(プレミアム+一般乗客)が前方から順番に降機し、その後に車椅子ユーザーが降機し到着ロビーについて、自分の自走式車椅子を返却してもらえる」所要時間を検証してみます。インターネット上に、「B787で機内は144人(240席X6割前後)の乗客でプレミアムクラス前方のアナウンス開始から、最後に降機までの時間は約5分30秒程度で、概ね10分あれば降機できる」とありました。降機前に流れ出すメロディが3分、車椅子が用意されるまでに3分、ターミナルビル内の移動が4分、自走式車椅子を返却に5分とすると、概ね25分はかかるでしょう。なお、搭乗している車椅子ユーザーの人数にもよるでしょう。管理人は車椅子で飛行機に乗って旅をしますが、何時も2人くらいですが、JAL279便は3倍くらいの車椅子ユーザーが居たことも原因かな?
そこで提案ですが、CAさんは「出雲空港は乗り換え時間が短いこと」もご存知でしょうから、6人くらいの車椅子ユーザーなら、空港連絡バスに乗るかどうかの声がけをして、該当者がいれば運行会社に連絡するなどの現場対応は、規則を変えなくてもできるのではないでしょうか!

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