ぶらり車いすバリアフリー旅行

バリアフリータクシー

JPN TAXI(ジャパンタクシー)基本情報

JPN TAXI(ジャパンタクシー)はトヨタ自動車が2017年10月に、ユニバーサルデザインタクシー用トールワゴン型ハイブリッド(スプリット方式)商用車として発売しました。バリアフリータクシーとして最も採用されて居ます。 トヨタ JPN TAX(ジャパンタクシー)主要諸元表
項目匠(たくみ)和(なごみ)
車両形式6AA-NTP10-AHXGN6AA-NTP10-AHXDN
寸法L4.4×W1.695×H1.75m
乗車定員5(車いす乗車時3名)運転手含む
通常時の定員の図解 車椅子のまま乗車時の定員の図解

乗車の仕方

JPN TAX(ジャパンタクシー)の乗降の仕方は、FullTime使用者とPartTime使用者によって異なるつぎの4つの方法があります。運転手が勧める順番はつぎのようにマニュアルに記載されています。自力で立てる方であれば、まずは後席を案内し、後席では移乗しにくい場合は座面が低い助手席を勧め、助手席でも移乗が難しい場合は車いすでの乗車を勧める。
  • 車いすに乗ったまま乗車される場合
    1. 乗車可能な車椅子サイズは、幅700mm以下・長さ1200mm以下・高さ1300mm(使用者の頭を含む)以下です。
    2. 乗車スペースの確保:運転席を調整する・助手席をタンブルする・左右のリヤシートをたたむ。
      助手席をタンブルする リアシートの現状。 リアシートを跳ね上げる。
    3. スロープの設置(高さ150〜300mmの歩道がある場合):スロープNo.1のみ。JPN TAXI(ジャパンタクシー)は歩道からの乗車(タクシー乗り場等段差がある場所)を想定しております。
    4. スロープの設置(歩道がないか歩道の高さ150mm以下の歩道の場合):スロープNo.1+スロープNo.2。
    5. 乗車:車いす車輪の後端がシートベルトバックルの位置に来たら回転開始。
    6. 車椅子の固定し、ブレーキをかける。
    7. シートベルトの装着。
    8. 各パーツを元に戻す。
      リアシートを元に戻す。
    9. スロープの格納。
  • 車いすから乗り移って乗車される場合(助手席)
    1. 運転手が助手席ドアを開ける。
    2. 車椅子使用者は、ブレーキを掛け、アシストグリップを握り、助手席に座る。
    3. 運転手が車椅子を折り畳み収納してくれる。収納場所は3つあり希望に応じてくれます。ラゲージに収納する。後部座席に収納する。折り畳むことを希望しない場合は、リヤシートをたたんで収納スペースを作り後部座席に収納する。折りたたんだ際の寸法が、長さ1050mm、幅350mm、高さ900mm以内であればラゲージに搭載可能となります。
  • 車いすから乗り移って乗車される場合(後席)
    1. 運転手がスライド式後席ドアを開ける。
    2. 車椅子使用者は、ブレーキを掛け、アシストグリップを握り、後席に座る。
    3. 運転手が車椅子を折り畳みラゲージに収納する。折りたたんだ際の寸法が、長さ1050mm、幅350mm、高さ900mm以内であればラゲージに搭載可能となります。
  • 電動車いすに乗ったまま乗車される場合
    1. 簡易電動(前向き乗車)、標準型(前向き乗車)、大型電動(前向き乗車・横向き乗車)。横向き乗車は車椅子の固定が十分できず・シートベルトの装着もできないので、安全上劣る乗車方法である。
    2. 乗車可能な車椅子サイズは、幅700mm以下・長さ1200mm以下・高さ1300mm(使用者の頭を含む)以下です。スロープの許容重量:簡易電動/標準型は耐荷重200kgスロープで乗車可、大型電動の重量200kg未満(車いす利用者込み)は耐荷重200kgスロープで乗車可、重量200kg以上(車いす利用者込み)は耐荷重300kgスロープでのみ対応
    3. 運転手がスライドドアと助手席ドアを開ける。
    4. 運転手がスロープを設置する。
    5. 電動車椅子の操作は使用者が行う。
    6. 電動車椅子の後輪がシートバックルの位置で90度回転する。
    7. 運転手が車椅子の固定とシートベルトを装着する。

車椅子で乗車の問題点

JPN TAXI(ジャパンタクシー)の欠点はつぎの3点です。
  • 乗り込むのに時間がかかりすぎる。
    1. 2019年2月までの車両は約4分30秒、2019年3月以降の車両は約3分40秒、2019年3月以降の車両で電動車椅子は約6分かると、トヨタのWEBサイトに表示されています。しかし、この所要時間は手順を十分理解している人が澱みなく作業しているケースです。車いすに乗ったまま乗車ケースはそんなに多くなく、わずかな研修を受けた全ての現場の運転手が動画のように澱みない作業はできないでしょう。そのように考えると、最大のケースでは、WEBサイトに表示されている所要時間の2倍かかり、使用者をイラつかせることもあるでしょう。
    2. この問題をメーカーも認識し、スロープの形状を2019年3月につぎのように進化させています。 2019年2月までのスロープは6分割(No1x3+No2x3) 2019年3月以降のスロープは3分割(No1x2+No2x1)
    3. 高さ150〜300mmの歩道がある場合はスロープNo.1のみ。歩道がないか歩道の高さ150mm以下の歩道の場合はスロープNo.1+スロープNo.2で設置する」判断を運転手がしなければなりません。歩道の有無はいいとしても、歩道の高さが150mmとい微妙な数値をどうやって判断するのでしょうか?
  • 後部から乗り込めず、横からの乗り込みだけ。
    1. まず横から、床高が320mmの標準仕様車に、歩道がないか歩道の高さ150mm以下の歩道のケース乗り込む場合に必要なスペースを解説します。 スロープNo.1の長さは1.1m、スロープNo.2の長さは0.364m、合計の必要長さは1.464mとなります。傾斜度はスロープNo.1が10度、スロープNo.2が14度です。この勾配は「高齢ドライバーや女性ドライバー」にはかなりハードルが高いと考えます。
    2. それ以上に問題なのが後部のスライドドアの横に必要なスペースです。スロープに必要な長さ1.464mに、車椅子の全長1.0mと押す人のスペース0.536を加えると、3mとなります。道路脇にそんなスペースを持った道路はまれでしょう。下図は小田原駅🔛小田原フラワーガーデン線の「ざる菊園前」バス停です。下は路線バスのスロープならぎりぎり降車できるスペースがあるが、登りは路線バスのスロープも設置できない、典型的な田舎のバス停です。
      ノンステップバスの車椅子を乗降させるためのスロープ板の幅は800mm以上とする。地上高150mmのバスベイより車いすを乗降させる際のスロープ角度は7度(約12%幻配)以下とし、長さは1050mm以下とする。スロープ板の表面は滑りにくい材質若しくは仕上げとする。従って、JPN TAXI(ジャパンタクシー)のスロープはこれより45cmも長いので、このバス停からは乗車できないでしょう。
    3. 管理人は居住している戸建て住宅団地内の道路幅は、センターラインがない幅が6mと5mの道路です。幅が6mで、JPN TAXI(ジャパンタクシー)に車椅子乗車を試みるケースを検討します。道路の中心の自宅側に停車すると、使用可能な幅は3mです。 3m-1.7m(車両の幅)=1.3mで、No.1+スロープNo.2の長さは1.464mですので、スロープすら設置できません。
      これを解決する方法は、皆さんの自宅のカーポートスペースを使うしかありません。
  • 助手席・後部席が回転しない。管理人は助手席が回転する自家用車に乗っており、その便利さを体感して居ます。その機能がないのは寂しい限りです。
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