花茎を切り取る
花後に花茎を切り取らずに放置状態でおくと、株の充実期を迎えても葉は大きくなりませんので翌年の花付きにも悪影響をもたらします。従って種を採取するハイブリットを含め原種の無茎種の花株以外は花首から切り取ります。花が終わった茎は乾燥しやすい晴れた日に地際から3~5cm残して茎を切り取ります。花柄切りを行うと、切り残した部分がやがて枯れて、病害虫の温床になりやすいです。梅雨前には花柄の残骸を指で抜き取り、株元をきれいに整理します。。
フェチダスやリビダス・アゥグチフォリウスなどの有茎種の場合はこの時期に茎を切ってはいけません。地際から新しく来年の花を付ける茎が伸びてきますが、この新しい茎が元の花を付けている茎と同じ大きさになるまでは切り取とらず花を付けた茎が茶色になってから切り取ります。
水やり
気温はまだそれほど高くありませんが、葉が茂ってくるとと鉢植えなどでは用土の乾燥が激しくなります。水やりは葉を除けて用土に十分にしみるように与えます。水切れでクリスマスローズの新しい葉がしおれてくることも有りますが、そのような鉢の底から水がしたたり落ちるまで与えて一時的に日陰の場所に移動します。水やりと同時に葉の裏側についている害虫を水の勢いで落とすように心がけます。
肥料
4月中に花のシーズン最後の追肥を与えます。化学肥料や有機肥料のどちらでもかまいませんが、窒素・リン・カリ成分を含むものを使い、肥料成分が5月末から6月初めには用土の中に残っていないようにします。梅雨の季節から後に肥料成分(特に窒素など)多く残っていますと根腐れなどの害や病気が出て来ることが多くなります。
植え替え
春の株分け・植え替えは気温が高くなり始める3月中頃までに済ませて、肥料は植え替え後1週間以上過ぎてから与えるべきです。しかし、その時期は開花中ですので、管理人は春の株分け・植え替えは行いません。株分け・植え替えは必ず厳寒期に入る前(10月頃から11月中頃)に行い、霜が強くなったり雪が降る頃には鉢の中に十分な根をはれるようにしています。
病害虫
ブラックデスを媒介すると言われているアブラムシ・ハマキムシ・スリップスなどの害虫や灰色カビ病とベト病が活発に動く季節です。新しい葉が展開する頃になるとハダニ・ホコリダニの被害が見受けられます。ニゲルなどはハマキムシやアブラムシなどが着きやすい為、オルトランなど浸透性の殺虫剤が有効です。
薬剤は葉や花に水で溶かして散布するのが多いですが、大きくなった地植えや鉢植えなどの株には、浸透移行性の薬剤(粒剤オルトラン・ベストガード・オンコル)を撒き、土中の根から植物全体に薬剤の効果が現れるような薬品を使用すると良い方法です。
クリスマスローズの付近でよく見られる益虫にはカマキリ、クモ、アカダニなどがいます。益虫と言われる所以は、小さな昆虫を食べる肉食性のためクリスマスローズや他の植物に害を与えることがないからです。