ぶらり車いすバリアフリー旅行

浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者入浴・快適宿泊

「浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者入浴・快適宿泊」では、浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者以上の重度の障害者や高齢者が快適入浴を楽しめる環境・要件について解説します。車椅子を使っているが、短い距離なら杖1本で安定して歩け、自立で浴槽の縁を跨げる方には、スペックオーバーの宿泊施設です。

バリアフリーの宿選択時の車椅子利用者の障害度


バリアフリーの宿を謳っている宿泊施設は約6400軒、バリアフリールームの宿を謳っている宿泊施設は約3600軒あります。しかし、これらの宿の多く(92%〜95%)は、洋室や和洋室があつて、館内や当該客室内を車椅子で移動できるレベルです。入浴は宿泊者がリラックスできる行為の一つですが、 浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者以上の重度の障害者や高齢者が快適入浴を楽しむことができる設備を備えている宿泊施設は、多く見積もっても300〜400軒でしょう。管理人が現時点でおすすめできる、湯船に入るための入浴補助具を備えている宿泊施設は、わずか247軒です。

バリアフリーな入浴施設

「浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者入浴・快適宿泊」は事前に調査し、それぞれの宿泊目的と障害の程度に合った風呂を選ぶお手伝いのサービスです。「浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者入浴・快適宿泊」を実現した上で、温泉や非日常も大切にしたいと考えております。
宿泊施設のお風呂を場所で分けると、バリアフリー(ユニバーサル)ルーム内の内風呂や露天風呂、大浴場、貸切風呂や貸切露天風呂があります。浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者が安全に入浴するためには、適切な入浴補助具を使う必要があり、さらに介助が必要な方もいらっしゃいます。バリアフリーな入浴施設に必要な条件は、入浴施設へのアクセス、入浴施設内での安全な移動手段、洗い場に於ける安全、安全に湯船に浸かる方法、介助者のスペースの5つが必要です。
泉質や沸かし方で分けると、真水の沸かし湯・人工温泉・温泉などがあります。目的が温泉旅行の場合、温泉に拘りますと、大浴場、貸切風呂や貸切露天風呂に限定されます。管理人がおすすめしている、300軒近いバリアフリーの宿でも、バリアフリー(ユニバーサル)ルーム内の内風呂や露天風呂に温泉を引いている宿泊施設は5軒程度です。
さらに、高級な入浴設備や浴室からの景観などの非日常を求めると、選択肢は狭まります。

バリアフリーな入浴施設の形態

「浴槽を跨ぐことができない車椅子使用者入浴・快適宿泊」の形態としてはつぎのようなものがあります。
  1. ホテル営業バリアフリールーム内浴室
    1. ホテル営業バリアフリールーム内浴室は3点ユニットバスが一番多く、セパレートタイプ(風呂とトイレが別々で洗い場がある)もあります。
    2. バリアフリールームを謳っている場合浴室へはほぼ車椅子で入れる。浴室内の安全な移動に必要は入浴用車椅子があるのは20%程度ですが、浴室は狭いのでシャワーチェアや手摺に掴まればなんとか移動できます。洗い場に於ける安全のためのシャワーチェア、安全に湯船に浸かるための腰掛けスペース・バスボード・移乗台を備えた入浴施設は多い。介助者のスペースは十分取れないことが多い。
    3. ほとんどのホテル営業バリアフリールーム内浴室は真水の沸かし湯で、温泉は期待できない。
  2. 旅館営業バリアフリールーム内浴室
    1. 旅館営業バリアフリールーム内浴室はほとんどが内湯、高級旅館になると露天風呂付客室もあります。概ね洗い場があります。
    2. バリアフリールームを謳っている場合浴室へはほぼ車椅子で入れる。浴室内の安全な移動に必要は入浴用車椅子があるのは20%程度ですが、浴室はホテル営業より広いので不安がある方は、事前に宿泊施設に確認してするか、同行者に介助を依頼しましょう。洗い場に於ける安全のためのシャワーチェア、安全に湯船に浸かるための腰掛けスペース・バスボード・移乗台を備えた入浴施設は多い。介助者のスペースは取れることが多い。
    3. ほとんどの旅館営業バリアフリールーム内浴室は真水の沸かし湯で、温泉は期待できない。
  3. ホテル営業館内の大浴場
    1. ホテル営業宿泊施設にも少ないですが、大浴場があります。
    2. しかし、ほとんどがバリアフリーではありません。
    3. リゾートホテルを除く、シティホテルやビジネスホテルの大浴場は真水の沸かし湯で、温泉は期待できない。
  4. 旅館営業館内の大浴場
    1. ほとんどの旅館営業宿泊施設には大浴場があります。
    2. しかし、バリアフリーな大浴場は少なく、せいぜいシャワーチェアと浴槽の手摺があるくらいです。大浴場は入り口→洗い場→浴槽間の移動距離が長いので、転倒リスクが大きいです。そのような観点から、入浴用車椅子(シャワーキャリー)や4点杖や畳床が備わっている場合のみ利用しています。
    3. 大浴場はほとんど温泉です。
  5. 貸切風呂や貸切露天風呂
    1. 貸切風呂や貸切露天風呂はホテル営業館内にはなく、一部の旅館営業宿泊施設には貸切風呂や貸切露天風呂があります。
    2. しかし、バリアフリーな貸切風呂や貸切露天風呂は多く、入り口→洗い場→浴槽間の移動距離が短く、異性の介助も受けられ、転倒リスクが小さいです。そのような観点から、一番利用しやすい入浴施設です。
    3. 貸切風呂や貸切露天風呂はほとんど温泉です。

適切な入浴補助具とは?

バリアフリーな入浴施設に必要な条件は、入浴施設へのアクセス、入浴施設内での安全な移動手段、洗い場に於ける安全、安全に湯船に浸かる方法、介助者のスペースの5つが必要です。自力で車椅子から降りて両手手杖歩行ができるが、浴槽を跨ぐことができない車椅子利用者(Heavy Parttime Wheelchair User)と自力で車椅子から降りることも歩くこともできず、自動入浴設備に移乗にも介助が必要な車椅子利用者(Fulltime Wheelchair User)に分けて解説します。

バリアフリーの宿選択時の車椅子利用者の障害度


立ち姿勢を保持できる車椅子使用者の入浴補助具


立ない車椅子使用者が湯船に浸かる・入浴補助具


  • 入浴施設へのアクセス: Heavy Parttime Wheelchair User・Fulltime Wheelchair Userともに、脱衣室へ日常使用している車椅子で入ります。
  • 入浴施設内での安全な移動手段: Heavy Parttime Wheelchair Userは浴室ドアの位置で、日常使用している車椅子から入浴用車椅子(シャワーキャリー)に移乗します。入浴用車椅子が備えられていない場合は、4点杖や手摺や同行者の介助を使うべきです。しかし、移動距離が長く、異性介助ができない大浴場の利用は避けるべきです。
    Fulltime Wheelchair Userは浴室ドアの位置で、日常使用している車椅子から入浴用車椅子(シャワーキャリー)に限定して移乗します。入浴用車椅子の他に走行リフトを備えたバリアフリーの宿もあります。
  • 洗い場に於ける安全: 洗い場で体を洗うときに、背もたれやアームサポートがあるシャワーチェアや入浴用車椅子(シャワーキャリー)を使いましょう。これらの入浴補助具の有無を事前に確認しておきましょう。
  • 安全に湯船に浸かる方法: Heavy Parttime Wheelchair Userはバスボード・入浴用車椅子・浴槽脇腰掛けスペース・一部のシャワーチェアを使って湯船に浸かることが可能です。宿泊施設の浴槽縁の高さ40〜50cmですが、外資系ホテルではもっと低い浴槽を備えていることもあります。ご自分の足上げ能力が30cm台の方であれば、外資系ホテルの低い浴槽を探すのもよいかもしれません。
    立ち姿勢を保持できず、短い歩行もできないFulltime Wheelchair Userは、分離型入浴用車椅子(シャワーキャリー)+リフト・天井走行シフト・入浴用車椅子(シャワーキャリー)で浴槽内スロープを降りる・スライド式入浴システム・自動昇降機能付きシャワーキャリー・昇降式貸切温泉・浴槽内昇降機を使って湯船に浸かることができます。しかし、すべてのタイプの自動入浴設備を合わせても、備えているバリアフリーの宿は40軒程度ですので、Fulltime Wheelchair Userにとって、非常に限られた選択肢になります。
  • 介助者のスペース: ホテル営業バリアフリールーム内3点ユニットバスは介助者のスペースを取るのが難しいので、介助が必要な方はせめてセパレートタイプを選択しましょう。大浴場、貸切風呂や貸切露天風呂は概ね介助者のスペースを取れます。しかし、大浴場は異性からの介助を受けられません。
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