ぶらり車いすバリアフリー旅行

車椅子で行く薬師寺・唐招提寺

2泊三日の初日ですので、京都駅から薬師寺・唐招提寺の最寄駅である「西ノ京」駅で下車し、薬師寺・唐招提寺エリアに向かう。
「西ノ京」駅は、ホームと駅前広場が地上(1F)に、改札口は地下1回にある、無人駅です。エレベーターは上り下りホームと改札口を結ぶ2箇所と改札口と駅前広場を結ぶ1箇所にあります。
駅前広場の前に京終停車場薬師寺線と踏切があります。道路は狭くセンターラインもありません。車の往来もかなりあり、歩道が無く路面は傾斜していますので、車椅子の走行には注意が必要ですが、約100mで薬師寺の與楽門(北門)に到着します。
唐招提寺
薬師寺

薬師寺

①與楽門(北門)を潜ると左側に受付があり、ここで拝観料を支払います。障害者手帳を提示すると、本人と介助者1名が半額になります。奥に進み、左回りに進むと、ほぼバリアフリーの環境で拝観でき、與楽門(北門)に戻ることができます。
「白鳳伽藍」エリア内の拝観ルートは、ほとんどが舗装路です。車椅子が苦手な砂利路面を通る必要はほぼありません。最初の建築物は「食堂」です。「食堂」は2018年の新築で、設計がバリアフリーを意識しており、出入り口にスロープがあり車椅子での拝観に大きな問題はありません。
堂内には文化功労者である田渕俊夫画伯により描かれた食堂ご本尊「阿弥陀三尊浄土図」を中心に、 14面全長50mにわたる壁画「仏教伝来の道と薬師寺」が祀られています。
食堂前は有名な拝観スポットで、多数のハスの鉢が置かれています。このエリアは舗装路なので、車椅子でハス鉢の鑑賞ができます。
②食堂を出て左側に鐘楼を見ながら進むと斜め左側に回廊があります。管理人は東回廊→南回廊→中門→南回廊→西回廊の順で回りました。
舗装路を辿って行った東回廊の入口は2段ですが階段です。階段より手前で左側をよく見ると小さいですがスロープがありました。舗装路を外れて砂利道になりますが頑張ってスロープから東回廊に上がりました。
③東回廊の中間点に差し掛かると、左側の回廊の外に東院堂があります。拝観せぬまま伽藍を出てしまう方が多いと言われていますが、回廊の出口も東院堂の入口も階段のみでスロープは無いようですので、管理人は拝観できませんでした。
南回廊の中間にある中門から、西塔・金堂・東塔を見ることができます。
西回廊の先端から、金堂への舗装路に降りようと試みましたがその先は階段だけでした。階段の先の狭い通路の左折して、先端まで行くと、地面(未舗装)との段差が小さい所がありましたので、強引に降りて地面(未舗装)を走り金堂への舗装路に合流しました。
④金堂は薬師寺の中心のお堂で、本尊薬師三尊像【国宝】をお祀りしています。 金堂は、二層建てで各層に裳階(もこし)をあしらう薬師寺を代表するお堂です。
国宝の薬師三尊像が鎮座する「金堂」内へはスロープを通り入ります。薬師三尊像を車椅子で拝観できます。金堂内は一周できる構造で、薬師三尊像以外にも拝観すべき像が数多くあります。特に薬師三尊像の裏側エリアは必見です。
金堂の一般入口は南側の手摺付き階段、一般出口は北側の手摺付き階段です。車椅子用スロープを使用すると西側から上がり、右折して北側の出口から入場します。混雑していると、出てくる一般参拝者に押し戻されそうになります。当日も修学旅行生の一団と鉢合わせになり、「Excuse me」と叫ながら進みました。
⑤長さ41メートル、深さ20メートル、高さ17メートルの大講堂は、薬師寺の金堂や奈良で最も大きな寺院の建物の1つです。堂内に安置されている弥勒三尊像は法相宗の教えを説いた仏であり、この広大な建物の機能は礼拝のためではなく、仏教全般、特に法相宗の知識を育むためのものでした。
大講堂の一般入口出口は南側の手摺付き階段です。車椅子用スロープは大講堂の東側にあります。南側からスロープを上がり、直角に左折して建物内に入りますが、長い急なスロープです。その先にさらに厳しいスロープが待ち構えています。建物の床はスロープの頂上より低いので急なスロープを降らなければなりません。通常、このようなケースで介助するときは「後ろ向き」で降りますが、頂上部の幅が狭く車椅子を回転することができないのです。でもご安心ください。入るときも出るときも、頂上でしばらく動かないでいたら、警備員さんがお手伝いしてくださいました。本当にありがとうございました。

薬師寺から唐招提寺へ

①與楽門(北門)を出て唐招提寺へ向かいます。この道はセンターラインが無い両側一車線の狭い道で、両側に蓋のない排水溝があります。歩道は車道と同レベルで白線があるだけで、排水溝に向かって傾斜しており、車椅子で走行しにくい道路です。
薬師寺バス停の先の右側に多機能トイレがありましたので、使わしていただきました。きれいなトイレでしたが、便座が高くちょっと座りにくいトイレでした。
②薬師寺と唐招提寺の中間店にある、「蕎麦切りよしむら」へ向かいました。お得なお昼セットはすでに売り切れでした。このお店は入り口に2段の階段がありました。「老々カップルでは上がりきれない?」と思案していると、若いカップルが両腕を抱えて店内に案内してくれました。お礼を言うために対面になったときに「日本の方」では無いと思い尋ねてみると、シンガポールからの観光客の方達でした。本当にありがとう!
人気のかきあげざる(1,350円)を頂きました。自慢のお蕎麦は10割で香りが良く美味しかった。最後に蕎麦湯を楽しみます。濃厚な美味しい蕎麦湯です。
店内のクンシランが見事に咲いていました。徒長していない葉とふわと咲いた花のバランスが素晴らしい。管理人もクンシランを栽培していますが、こんなクンシランにはなったことがありません。聞けば、ご主人が植木職人とのことです。そういえば、入り口左側のお庭も見事でした。
親切なシンガポールからの観光客・美味しい食事・見事なお花、良いことが三つ揃いました。
③いよいよ唐招提寺です。
唐招提寺の車椅子ユーザーが利用できるスロープ型出入口は南大門の東側にあります。このスロープを上がり切ると右側に小さなスロープがありますが、ここを渡ってはいけません。一番奥の受付に行き、拝観料を支払ってから、この小さなスロープから入門してください。
親切なシンガポールからの観光客・美味しい食事・見事なお花、良いことが三つ揃いました。
④金堂まで真っ直ぐに砂利敷きの参道が通っています。砂利敷きの参道を車椅子で走行することは難しいです。右側に車椅子がぎりぎり通れる未舗装の通路があります。ここを通って、金堂の右側を通過して講堂に向かいます。金堂は階段しかありませんので、拝観を諦めましょう。金堂・講堂と礼堂間の通路は浅い砂利ですので、車椅子でもなんとか移動できます。
⑤講堂の北側に行くと、スロープがあります。このスロープを上がり切り、180度左折して北側廊下→東側廊下→南側廊下を通過し、半周するを階段上にある、講堂入り口に合流します。
⑥講堂の東側にある礼堂の中門を潜ると、新宝蔵への案内看板が見えてきます。この先は緩やかな傾斜の舗装通路が続き、新宝蔵が見えてきます。新宝蔵の入口は階段ですので、左側に回ると長いスロープがありますので、車椅子で入館することができます。
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