ぶらり車いすバリアフリー旅行

快適な宿泊施設の選択要件

このページでは、車椅子使用者が旅行をするときに、快適な宿泊施設を選択できる要件を6つのカテゴリーに分けて、管理人の経験を踏まえて説明しています。

コスパ抜群車椅子旅行計画

健常者と同じサービスを受けられる

障害者やシニアなどのハンディをお持ちの方が車椅子旅行をするときの宿泊先は、可能な範囲で「健常者と同じサービスを受けられる」快適な宿泊先を探しましょう。
健常者と同じサービスを受けられる環境とは、駐車場~フロント~障害者対応客室~お風呂~食事処~トイレなどを、スロープ・エレベータ・エスカレータ・多目的トイレ・旅館スタッフの援助などで自由に往来でき、お風呂・食事・ショッピングなどを自由に楽しめる環境です。

立地

立地・快適宿泊の良否を感じる視点は三つあります。一つは宿泊施設へのアクセスに対する利便性、二つ目は観光に対する利便性、三つ目は非日常的な静けさなどの環境です。
宿泊施設へのアクセスに対する利便性については、タクシーなどで宿泊施設のエントランスに直付けできる場合は重要ではありませんが、車椅子に乗って徒歩で行く場合は、道路と建物間の段差やスロープの傾斜度をしっかり把握した上で、予約しましょう。
観光に対する利便性については、観光地との距離や移動手段を決めてから予約しましょう。
非日常については、周辺の環境や部屋からの眺望などを確認の上で、予約しましょう。

車椅子対応客室

車椅子対応客室は一般的にはバリアフリールームと呼ばれていますが、ユニバーサルルームやアクセシブルルームと表記されている場合もあります。車椅子対応客室を選択するときの重要な視点はトイレ・バスルームを含めた全ての設備が車椅子で使用できることに加えて、旅の醍醐味の非日常を感じられることも大切です。
観光地の近くにこのレベルの宿泊施設がなければ、妥協せざると得ませんが、第一視点の中での最高のレベルは温泉の湯船に浸かれるか否かです。管理人は手摺につかまった状態で足を20cm位しか上げることができませんので、高さが50cm位ある浴槽の縁を跨ぐことができません。従って入浴補助具が必須になります。
窓からの眺望や部屋の作りなどの旅の醍醐味の非日常を感じられることも考えましょう。
  

設備やアメニティ

設備やアメニティをバリアフリーの視点から見ると、館内の動線が重要です。つまり、駐車場→エントランス→ロビー→客室→浴場→食事処→バリアフリー化粧室の動線が、車椅子で自走できることを確認しましょう。古い宿泊施設の中には、増築を繰り返し、迷路のような動線になっている場合もあります。
管理人はそれに加えて、Webサイトに貸出備品があるか否か、あれば入浴補助具があるか否かを必ず確認します。
  

エレベーター

設備やアメニティの項目で、「駐車場→エントランス→ロビー→客室→浴場→食事処→バリアフリー化粧室の動線が、車椅子で自走できることを確認しましょう。」と申し上げましたが、横だけでなく縦の動線も重要です。それがバリアフリーのエレベーターの有無です。
バリアフリーエレベーターの要件を問われて、操作ボタンパネルが低い位置にある・鏡がある等とお答えになる方が多いと思います。管理人の経験から、それ以上に大切なことは、「車椅子で乗れる」ことです。先般も、バリアフリーを謳っている高名な老舗ホテルで、奥行きが85cmしかないエレベーターに出会いました。そのエレベーターを使わないと、浴場へも食事処にも行くことができないのです。

入浴施設

車椅子で利用できる温泉入浴施設は必須の設備ですが、この2つの要件を満たす入浴施設がある、バリアフリーの宿は少なく、特にシティホテルでは皆無に等しいです。温泉に入れるバリアフリーの宿を探すなら、シティホテルは除外すべきです。しかし、先般管理人は、バリアフリールームの浴槽に無料で温泉を給湯してくれるバリアフリーの宿に出会いました。
管理人はバリアフリーの宿を探すときに、車椅子で利用できる貸切風呂の有無を確認します。その理由は、貸切風呂であれば、妻の介助を受けられますので、多少不十分な入浴補助具でも安全に入浴できるからです。
さらに、「大浴場での介助入浴可能」のような文言を見ることがありますが、疑心半疑でした。第一項のホテルで、ホテル従業員の介助を初めて経験しました。大浴場ですから、妻が男湯に入ることはできません。そこで、管理人が湯船に入ったり、湯船から洗い場に移動するときに、男の従業員さんが3度も来てくれ、管理人を介助してくれたのです。正直、驚きました。

バリアフリーの宿選択時の車椅子利用者の障害度

立ち姿勢を保持できる車椅子使用者の入浴補助具

立ない車椅子使用者が湯船に浸かる・入浴補助具

  

食事

食事・快適宿泊の形態としてはバイキング・食事処・部屋食などがあります。車椅子利用者として注意すべき点はつぎの通りです。
  • バイキングの場合:通路が車椅子が通れる余裕があるか。良い例を2つお知らせします。一つ目は、スタッフの方が席まで運ぶのを手伝ってくれる、二つ目は膝の上に小テーブルがある車椅子を貸し出してくれる、宿泊施設があります。
  • 食事処:懐石料理が多いので、管理人は可能な限りこのケースを選びます。
  • 部屋食:椅子席があるバリアフリールームで、部屋食を提供してくれる宿泊施設がありますが、料理が冷めてしまうなどの欠点があります。
  

サービス

接客(狭義のサービス)の良否を感じる視点は三つあります。一つは接客(狭義のサービス)のシステムによる違いであり、二つは接客する従業員の態度や振る舞い、三つは不公平感です。自分の好みや価格に相応した接客(狭義のサービス)システムを選ぶことができます。しかし、態度や振る舞い・不公平感は事前調査をすることができません。
例えば、管理人はつぎのような経験をしました。チェックイン時のホテルマンは、部屋まで案内する途中にある10%位のスロープがあっても、車椅子を押してくれずに、自分が先頭を歩いている。チェックアウト時のホテルウーマンは、車椅子を押して待たしてあるタクシーまで案内してくれました。同じホテルでも、人によってこんなに違うのですから。
  
ハンディのちから:ハンディ生活にちから(力)になる応援情報サイト内の画像・素材を
無断で複製・転載・転用することはご遠慮ください。
Copyright(C)2005.ハンディのちからAll Right Reserved.