バス
バスは鉄道ほど長距離移動には便利ではありませんが、飛行機や鉄道を降りて、大きな観光スポットへ移動する手段として、タクシーよりも非常に経済的です。バスの種類は5ステップ高速観光バス・リフト式高速バス・ノンステップ路線バス・1ステップ路線バス(可動スロープの有無により2種類)・シャトルバスなどがあります。これらのバスの使用も「full-time wheelchair user」と「part-time wheelchair user」では大きな差があります。さらに、低床バスでも、1便に乗車できる車椅子ユーザーは一人が多く、最大でも二人までであることも覚えておきましょう。理由は、車椅子は一般座席2席を占有し、車椅子固定装置をそれ以上増やせないことです。都市部で便数が多く、つぎの便を待つ余裕があれば問題ありません。しかし、1時間に1便と言うような場合、確実に乗るためには、乗る便を決めて運行会社に事前連絡をしましょう。
- 5ステップ高速観光バス:多くの空港で空港連絡バスとして使われています。「full-time wheelchair user」は利用できません。
- リフト式高速バス:2空港で試験的に運行されています。「full-time wheelchair user」も利用できます。
- ノンステップ路線バス:「full-time wheelchair user」も利用できます。
- 2ステップ路線バス:(可動スロープがあるバスは「full-time wheelchair user」も利用できます。可動スロープがないバスは車椅子の方は乗車できません。しかし、管理人は箱根で、可動スロープがない2ステップ路線バスに乗ったことがあります。乗り方は5ステップ高速バスと同じで、折り畳んだ車椅子はトランクでなく、車内に持ち込みました。その車椅子を降ろす作業を同じバス停で降りた乗客がしてくれたのです。)
- 小型路線バス(1ドア・2ステップ):乗客が減少している路線では、マイクロバス(1ドア・座席数は補助席を入れて28程度・2ステップ・トランクなし)を走らせている、バス運行会社が増えています。このようなバス路線では、「full-time wheelchair user」と「part-time wheelchair user」いずれの車椅子ユーザーも乗車できません。管理人は、「マイクロバスしか走っていない」ことを知らずに、part-time wheelchair userであることを説明し、電話で島根県安来地区のバス会社に車椅子乗車をお願いしましたが、乗ることができませんでした。ただし、途中一度も停車せずに目的地へ走る「シャトルバス」であれば、事情は異なってくることもあります。
- 小型ノンステップ路線バス:近年、乗客が減少している路線でも、小型ノンステップ路線バスを運行している、バス運行会社が増えています。このようなバス路線では、「full-time wheelchair user」と「part-time wheelchair user」いずれの車椅子ユーザーも乗車できます。スロープ板を手で設置する小型ノンステップバスが多いですが、扉と床の間からスロープ板を手引き出すという構造や側面の扉からはもちろん、後部からも車椅子で乗降することが可能な車両もあります。
- シャトルバス:観光施設や宿泊施設の無料送迎バス・一部の路線バスで運行されています。イベント会場や空港・観光地など特定の目的地を利用する乗客を効率的に輸送するため、短い間隔で運行するバスです。車両は27人乗りマイクロバスタイプが多く、トランクもなく、可動スロープ・手すりもないので車椅子の方は乗車できません。しかし、稀にはこのタイプのバスに昇降リフトを付けて、送迎バスとして提供しているバリアフリーの宿もあります。管理人は最近松江で利用させていただきました。
5ステップ高速観光バス
リフト式高速バス
ノンステップ路線バス
2ステップ路線バス
小型路線バス(1ドア・2ステップ)
小型ノンステップ路線バス
比較的長い距離のバス利用で、出発前に運行会社に連絡を入れといた方が良い例をご紹介します。二例とも、JRや私鉄の駅を出発し、目的地まで約1時間余りの山岳地帯の観光地です。バスの運行会社は同一です。駅(上高地線新島々駅)下車・新島々バスターミナルから上高地行き路線バス(5ステップ高速観光バス)については、車椅子乗車の可否については公開されていません。一方、北陸新幹線長野駅から戸隠高原行き路線バス(可動ステップなし2ステップ路線バス)については、「この路線は、急勾配等の道路事情により、車いす対応の低床車両の運行ができません」と車椅子乗車はできないと読み取れる告知がされています。あなたならどのように対応しますか。あきらめますか。管理人は先に上高地、翌年に戸隠高原に行きました。
管理人は上高地に行ったときは、バスの運行会社に電話をして、「車椅子から降り、折り畳んだ車椅子をトランクに預け、私は5ステップを歩いて上がります」ので、乗車させてもらえませんかと、お願いしました。バスの運行会社に了解して頂き、車椅子をトランクに入れるのも運転手さんがやってくれました。「車椅子をトランクに入れるのは、介助者がやってください」という、バス会社に遭遇したこともありますのでご注意を。
この5ステップ高速観光バス乗車が記憶にあって、北陸新幹線長野駅から戸隠高原行き路線バスも同様の方法で乗車できるか、確認した結果わかったことが、
この路線はトランクがない可動スロープなし2ステップ路線バスでした。それでも、担当の方が、「事前に乗車する便を連絡いただければ、可動スロープ付2ステップ路線バスを配車する」とのお答え頂き、この旅行計画を中止しなくてすみました。コミュニケーションは大切ですね。