お城も神社仏閣と同様に車いすユーザーにとって、障害物の山のように思われているでしょう。
エレベーターで天守閣まで上がれるお城は、大阪城・名古屋城・唐津城・岡山城・熱海城・亥鼻城があります。車いすユーザーは下から撮りがちな天守閣ですが、お城の上から眺める海や街も素晴らしいです。エレベーターでひとっ飛びすることで、たっぷりと眺望を楽しむ時間を確保できます。
大阪城の1つ目のエレベーターは天守台(石垣)部分を上に行くことができます。外部エレベーターは普段は利用できませんが、チケット購入の場所で訪ねてもらえば利用できます。天守台上にやってきたら、このまま天守閣の1階に入場すると、2つ目のエレベーター「館内エレベーター」があります。このエレベーターは基本的には1階から5階までしか行けません。5階から展望台の8階までは階段で上る形になっています。担当の方に依頼すると、車椅子や足の不自由な方は、1階から8階までエレベーターで展望台まで直通で行くことが可能です。
名古屋城は実は屋外エレベーターと天守閣内のエレベーターを利用して5階まで行くことができます。5階からは名古屋のまちなかや濃尾平野を眼下に見ることができます。各階の展示室通路は広く、スムーズに見学できます。
唐津城は斜行エレベーターという山の斜面に沿ってのぼっていくエレベーターで登れます。高低差は34mですのですぐ着きます。上段広場と呼ばれている本丸に相当する場所に着きます。天守内は階段ですので、車椅子ユーザーは入れません。
岡山城天守閣入り口の地下1階からはエレベーターで4階まで上がれます。4階から6階は階段になります。一番上までは階段で2つ階を登ると、シャチホコが目の前に見えたり、その脇から後楽園を眺めることができたり、一見の価値があります。
熱海城は地上43m、海抜160mからの360度パノラマの眺望は熱海随一!熱海市街一望はもちろん、湯河原。新鶴半島、晴れた日にはぽっかり浮かぶ初島や大島、その先に網代・伊東方面の伊豆半島。入り口から天守までエレベーターで行けます。しかし、主要道路からお城までは急勾配の道ですので、タクシーか自家用車移動がおすすめです。
亥鼻城は中に入ると順路が案内されていますが、展示物を見ながら上に向かう階段と、一気に展望室に行けるエレベーターのどちらかを選ぶこになります。天気の良い日であれば筑波山、さらには富士山も望むことが可能です。
小田原城
城址への入口は、「正面入口」「学橋」「南入口」「北入口」の4ヶ所がある。敷地内駐車場から車椅子で直接本丸広場に向かうには「南入口」を利用すると全て整備された道路を通ることができるようになっています。距離と勾配は、600mと平均勾配で約3%ですが、延々と上りが600m続くので、介助者もそれなりの体力が必要です。5層構造の天守閣の5階には天守を再現した常設展示と展望デッキがあります。展望デッキからは相模湾が一望でき、小田原の城下町を見下ろせますが、残念ながら天守閣へは階段のみのアプローチのため、車椅子のままでは入場することができません。