旅する車いすユーザーの現状
日本には400万人を超える身体障害者がおり、その内車椅子ユーザーは約200万人(全人口の1.57%)と言われています。管理人は飛行機や新幹線に乗って車椅子旅行するときに、気づくことがあります。機内や車内・観光地・バリアフリーの宿などで、ほとんど車椅子ユーザーに出会わないことです。例えば、飛行機に乗って、観光地に行って、バリアフリーの宿に泊まって、車いすユーザーにお会いすることはあまりありません。ただ一度、5人もの車いすユーザーに遭遇したことがありました。そこは管理人も紹介している、松本市内の評判のバリアフリーの宿でした。このときに、条件が揃えば、旅行する車いすユーザーも居るのだと感じました。車椅子ユーザーや高齢者の旅行を妨げる要因は多い順に、体調に不安がある(40%)、車椅子移動が難しい(35.0%)、観光地や宿泊施設がバリアフリー対応しているかわからない(34.0%)、ほかにも入浴やトイレなどを懸念する傾向があります。車椅子ユーザーや高齢者の旅行をする人は、障害者支援や年金受給者も多く、他にも経済的な要因を挙げる方も多い。
車いすユーザー旅行を身近なものに
そこで旅行が車いすユーザーにとって、もっと身近なものになるには何が必要か、不足なのかを考えています。車いすユーザーもそれぞれの不自由度は異なりますが、「少ない旅する車いすユーザー」の中では、全く歩けない車いす使用者を「full-time wheelchair user」、立ち上がり杖を使えば少しは歩ける車いす使用者を「part-time wheelchair user」に分けて、検討していきます。因みに、管理人は「part-time wheelchair user」です。両下肢に身体的な障害を持っているため、室内と屋外の80m以内の移動には両手杖でゆっくり歩行していますが、屋外の80m以上の移動には車いすを使用しています。通路に車いすで乗り越えられない段差があるときなどには、車いすから降りて両手杖でゆっくり歩行することもあります。ほかにも車いす用トイレが無かったり、開いていないときに、普通のトイレにゆっくり歩いて入ることもあります。車いす旅行で使える移動手段と宿泊施設に、「full-time wheelchair user」と「part-time wheelchair user」では大きな差があります。車いすユーザー旅行を身近なものにするために、観光地までの移動・観光地・宿泊施設に大別して大まかなバリアフリー状況を理解しましょう。個人による観光地までの移動手段は、主に鉄道や飛行機や最寄り駅・空港から観光地までのバス移動になりますが、鉄道や飛行機はほぼバリアフリー化され、最寄り駅・空港から観光地までのバス移動のバリアフリー化が遅れています。しかし、ここは地元企業による運営が多いので、いろいろな代案が提供されることもあります。
一番遅れているのは宿泊設備でしょう。管理人が快適に宿泊できる基準で厳選して行くと、2023年5月6日現在、楽天トラベルには34,756の宿泊施設が登録されていますが、キーワード「バリアフリー」検索すると6,320、キーワード「バリアフリールーム」検索すると3,607、管理人の障害の程度に合うバリアフリーの宿は120軒ほどです。中には1軒もない県もあります。
旅行の良い面と注意すべき面
障害者に限らず、人が何か行動をすると、必ず良い面と悪い面を見ることになります。管理人は一人で外出できませんので、日常生活で外出する機会は、通院・外食・買い物にほぼ限られます。しかし、狭い庭ですが、ガーデニングで庭に出ると、自然の息吹が感じられれ、清々しい気持ちになれます。良い面はつぎの通りです。
- 景色をみたり、人と触れ合うことがいい刺激となり、気持ちが明るくなる
- 旅行(特に温泉浴)による健康増進効果が期待できる
- 受け入れに熱心なバリアフリーの宿では車椅子ユーザーにも会え、交流できる
- 時には冷たい人もいるが、それを差し引いても人の優しさに触れることの方が多い
- 帰宅後、つぎの旅行計画の作成が楽し気なる
- 管理人は費用節約のために、ツアー商品は使わず、自分で計画・手配をします
- 管理人の場合、同行者(介助者)は妻だが、私以上に頑張っていること忘れずにいること
- 自分のバリアフリーと違っていても、感謝の気持ちを忘れずに!
- 車椅子などの出発前点検を忘れずに
ツアー商品では身近なものにならない
- 参加できる人に必要なバリアフリー度が明確で無い
- お土産屋さんなどのショップを含み、回る箇所が多く、歩行が遅い障害者や高齢者にはきつい
- 介助をしてもらえる範囲が不明確
- 滞在時間が短く、じっくり見たい場所に寄れない
- 行き先などのバリエーションが少なく、参加費用も高額