デジタルカメラ

被写界深度・ミラーレス一眼カメラ

その表現の内に物語を備えている魅力的な写真は見る人を惹きつけます。その物語は、被写体、表現方法、撮影方法等の選択によって生み出されます。被写界深度を浅くして撮影をする方法もそのひとつです。被写界深度はピントがあっているように見える範囲のことを指していて、範囲が広いと被写界深度が深い、狭いと被写界深度が浅いといいます

被写界深度の変化の要因

被写界深度の変化の要因には次のような関係(浅い←・→深い)があります。
  • 絞り:絞りを開く(小さいF値)←・→絞りを絞る(大きいF値)
  • 焦点距離:望遠←・→広角
  • 被写体までの距離:近く←・→遠く
  • 被写体と背景の距離:遠く←・→近く

被写界深度が浅い写真

「焦点が合っている1か所の平面があり、ほかのすべては焦点が合っていない状態です。口径が広いレンズの場合、レンズはより多くの光を取り入れることができ、背景のボケはより効果的になります」
被写界深度が浅い写真を撮影するには、F値を1.4~5.6までの低い範囲に設定し、より多くの光を取り入れられるようにします。そうすると焦点面は被写体と焦点領域に応じて、写真の前景または背景がボケていきます。F値が小さい、つまり絞りを開けるほど、カメラに入る光は多くなります。このとき、シャッタースピードは十分に速くします。被写界深度が浅い撮影を成功させるには、絞り、シャッタースピード、焦点距離、ISO感度の関係を理解することが重要です。
また、レンズの焦点距離が長い望遠レンズほど被写界深度は浅くなり、カメラ、被写体、および背景の間の距離を広げることでも、被写界深度が浅い写真を表現することができます。たとえば、F1.4といった明るいレンズを持っていない場合でも、被写体から離れてズームレンズで寄せて撮影する、または被写体を背景から離すことで、すばらしいボケ効果を得ることができます。
ペットや人の写真を撮る場合に、被写界深度を浅くして、背景をぼかすと、ぼけているところよりも、ピントの合ってるところに自然と視線が行くため、ペットや人がぐーんと、引き立って見えます。

ポートレートの被写界深度設定

ポートレートを撮るとき、多くの人は被写界深度を浅くして撮影をしています。ポートレートは顔の特徴を強調するものです。被写界深度を浅くして被写体の目に焦点を合わせて撮影すると、背景にある、注目してほしくないものを排除することができるからです。
薄暗い環境でポートレートを撮影しなければならず、十分な周囲光を取得して適切な露出を得るためには絞りをF1.4まで開く必要があるとします。しかし、ここで問題となるのが、ここまで被写界深度を浅くすると被写体がぼやける可能性があるということです。こうしたケースでは、絞りをF5.6~F8にすると、人物に焦点を合わせることができます。しかし、この絞りでは適切な露出を得るために多くの場合、ストロボが必要になります。
より本格的なポートレートを撮影したいなら、ポートレート撮影に向いているレンズが必要です。ポートレート撮影に向いているのは、マクロなど焦点距離が35mm換算で、35mm〜80mmくらいのレンズで、初心者には、標準の50mmが使いやすくておすすめです。
ポートレート撮影におすすめの設定はマニュアルモードに設定・ISOはAUTOに設定・F2.8やF4などF値は低めに設定・シャッタースピードは1/250以上などです。

浅い被写界深度の難しい点

被写界深度が浅い撮影をするときのもうひとつの注意点は、焦点領域を十分に広くし、適切な場所にフォーカスを置くことです。「ブラケット撮影をおすすめします。F1.2で1枚、F1.8で1枚、F2.0で1枚というように撮影します。これらの3つの写真のなかでひとつは、必要なものすべてに焦点が合っており、不要なものには焦点が合っていないという状態のはずです」。ブラケット撮影はポートレート写真で特に便利で、顔全体に焦点を合わせることができます。
被写界深度が浅い画像を撮影するときは、広角レンズの使用は避けます。広角レンズはシーン全体に焦点を合わせることができ、深い被写界深度に適しています。風景写真は、鮮明な焦点と深い被写界深度が望ましい分野のひとつです。広角側より望遠側で撮る方が被写界深度が浅くなります。例えば28−80mm(35mmフィルム換算)の標準ズームレンズで撮る場合『背景をボカしたいなら80mm側で撮る』これだけです。
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